出版社内容情報
1937年7月7日,北京郊外の盧溝橋で日中両軍による衝突が起き,これは日中戦争につながった.局地紛争がなぜ全面戦争に発展したのか.満州事変以降の日本の大陸政策を跡付け事件に至る経過を明らかにし,新資料・インタビューをもとに事件の全容を描き出す.
目次
日本の華北進出
盧溝橋事件前夜
七月七日夜の現場
七月七日深夜の現地周辺
七月八日―十一日の現地情勢
華北派兵への道程
拡大か不拡大か―日本側
拡大か不拡大か―中国と列強
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Happy Like a Honeybee
5
日中戦争の発端となった銃声から、盧溝橋事件の真相に迫る一冊。 入念に研究されている印象があります。2025/04/15
フンフン
2
著者の秦郁彦には、古典的名著と名高い『日中戦争史』がある。本書は、それから30年以上を経て、盧溝橋事件に的を絞った労作。中国が「竹のカーテン」に閉ざされていた間、中国側の関係者の証言を得ることは、ほぼ不可能だったのだが、本作は「改革・開放」路線で明らかになった中国側当事者の証言を加えて、盧溝橋事件の謎に挑んでいる。すでに関係者がほとんど死んでしまった現在、これ以上の研究書は出ないのではないだろうか。2019/04/27