出版社内容情報
絵巻は,中世の社会や人間生活を視覚的に示す貴重な史料として,近年様々な解読の試みが行われている.本書は,絵巻に描かれた建築に注目し,描写の法則性の分析など絵巻を史料として扱う際の方法を示すとともに,中世の建築の様相をヴィジュアルに再現する.
内容説明
本書は絵巻物に描かれた建築を取り上げて、その建築がどのようなものであり、当時の人々がどのように関わり、当時の人々にとってどのような意味を持っていたのかをあきらかにすることから、絵巻物が描かれた当時の社会のあり方を考えるものである。
目次
貴族住宅
町屋
武家住宅
庶民住宅―堂と小屋の観点から
絵巻物にみる中世住宅の寝場所
絵巻物の建築図は信頼できるか―『一遍上人絵伝』の寺院・神社図を通して考える
記号としての竹の縁と柱
絵巻物の住宅を考古学発掘史料から見る