出版社内容情報
鉱毒事件で著名な足尾銅山で1907年2月鉱夫による暴動が起った.これを契機に全国各地で暴動・争議が頻発した.暴動はなぜ起きたのか.暴動に至る経過とその展開過程,飯場制度,労働条件,技術と人間を実証的に分析する. 労働関係図書優秀賞
目次
序章 暴動の舞台・足尾銅山
第1章 足尾暴動の主体的条件―〈原子化された労働者〉説批判(治安警察法下での労働組合組織化の企て;大日本労働至誠会の結成とその波紋;暴動;暴動をめぐる諸問題)
第2章 飯場制度の史的分析―〈出稼型〉論に対する一批判(飯場制度の定義;飯場制度の生成;採鉱法の進歩;飯場制度の変質)
第3章 足尾銅山における労働条件の史的分析(足尾銅山における賃金水準;選鉱部門における技術進歩と労働の質的・量的変化;製煉部門における技術進歩;製煉夫賃金の低落理由;不熟練労働者の賃金水準をめぐって)
終章 総括と展望―労働史研究の現地点確認のために