出版社内容情報
出生時より就学前までにわたり母子相互作用,子どもの気質,アタッチメントならびに社会的・情緒的発達についての縦断的資料を収集し,子どもの人格発達がどのようにして始まるかという困難な課題に挑んだ10年にわたる共同研究の成果.
目次
本研究実施の経緯
Strange Situationを用いた受着関係に関する従来の研究
本研究にかかわるこれまでの報告の要点
「泣き」や「ぐずり」と乳児の発達
新奇な場面における子どもの行動傾向
母子相互作用過程と発達
母子関係・子どもの行動特徴と自己制御行動の発達
23ヵ月時における母親に対する服従・協力行動
乳児期から就学前時にかけての社会・情緒的行動の連続性
Strange Situationでの行動と情動表出
ストレス事態における子どもの行動の発達的変化
討論 この研究をふりかえって
付録資料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小鈴
6
新生児から2年にわたり継続して母子愛着関係について調査。80年代に乳幼児の愛着関係が世界中の研究者の関心を集めたが、論争の1つは「1才時の愛着関係の質は養育者、とくに母親の敏感性(赤ちゃんの泣きなどへの働きかけ)の反映か、それとも子ども自身の気質特徴の反映か」であり、これは婦人の労働や施設保育などの政策にも関わるからだった。結論としては、赤ちゃんの気質特徴には一貫性があることが判明している。つまり、そのような気質の場合は母親が応答的でも大きな変化は見られない。とはいえ、実験の操作性や結果の解釈は曖昧性あり2013/08/29
ブルーハート
3
出版されてもう30年近くなっている古い本だが、その後の母子関係研究はどうなっているのだろうかと考えながら読んだ。虐待や愛着のつまずき、子育て不安がより一層顕在化しつつある今、かつての研究がなんの意義も果たせないまま埋もれて去ってしまったように思えるのは私だけだろうか。2019/02/24
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