内容説明
顔認知研究の第一人者が、自己と他者のはざまでゆれ動く顔と身体を対比させながら、ルッキズム、ジェンダーなどの身近な社会問題から病や死の受け止め方まで、傷つきによりそって考える。
目次
1 ガーンな身体
2 「しびれ」は幻の痛みなのだろうか
3 顔研究者の顔に麻痺が起きる
4 マスクのもたらす影響を知る
5 確率の世界を生きるということ
6 共感をうまく使う、共感に使われない
7 顔の区別が必要になったわけ
8 ルッキズムとアンコンシャスバイアス
9 男と女、違いはあるのか
10 すべてのジェンダーが解放され、女子大が必要なくなる日が来ますように
11 「かわいい」のマジックはどこにある?
12 がんになって五年たちました
13 顔と身体を持つことによるもどかしさ、生きること
著者等紹介
山口真美[ヤマグチマサミ]
1995年お茶の水女子大学人間文化研究科単位取得満期退学。現在、中央大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
73
2017年に採択された科研費新学術領域研究『顔・身体学』。これを発展させて2025年に『顔身体デザイン』をスタートさせたプロジェクトリーダーのエッセイ。2018年の「ガーンな身体」体験から始まり、抗がん剤による末梢神経障害の痛みやしびれ、顔面神経麻痺による表情の喪失と身体違和感、さらにコロナ禍で世界中が共有した「痛み」まで、著者は自身の体験をとおして顔と身体の意味を問い直す。文化差による顔の読み取り(日本では目、欧米では口を注視)、マスクがもたらす社会的影響、共感の2つの能力、顔認識の発達、→2026/07/25
Roko
35
ルッキズム(見た目第一主義)によって、心を傷つけられたり、差別されたりしていいはずがありません。でも、人間はやってしまうのです。あの人はデブだとか、あの人は外人だとか、あの人は男だか女だかわからないとか。そんな、どっちでもいいことを気にして、そんなどうでもいいことを発言して、他人を傷つけてしまうのです。そして巡り巡って、自分自身も傷つけてしまうのです。2025/08/27
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
16
体調不良が続いているため、ヒントになるものはないかと「痛みと向き合う」というフレーズに惹かれて手に取りました。当てにしていたものではなかったですが、本を閉じて一番残っていたものは「ガラスの天井」でした。ガラスの天井に頭をぶつけることは、そりゃ痛いですよね。2026/07/31
かんがく
10
人間の顔と身体について心理学的なアプローチを行い、文化圏による違いや、ジェンダーの問題などについてエッセイ的に記していく内容。ところどころで紹介される実験や学説が興味深かった。2025/05/26
カエル子
5
ガン闘病しながら研究者としての仕事も継続する中で綴られたエッセイ集。8歳のときに「跡取りは男子」と祖母に言われて強烈なパンチを喰らった著者が、「男女の性役割への抵抗」として密かに家事手伝いから距離を置いていた自分をふり返り、「家事という基本スキル」を学ぶ機会を逸したと後悔するまでになっているって、果てしなく共感してしまったー笑。2019年来のKuToo運動とか、マイナンバーカードに旧姓併記できるようになったとか、知らなかったぞ泣。日本を留守にしてた間のアレコレ含めてとても勉強になりました。2025/08/26




