内容説明
顔認知研究の第一人者が、自己と他者のはざまでゆれ動く顔と身体を対比させながら、ルッキズム、ジェンダーなどの身近な社会問題から病や死の受け止め方まで、傷つきによりそって考える。
目次
1 ガーンな身体
2 「しびれ」は幻の痛みなのだろうか
3 顔研究者の顔に麻痺が起きる
4 マスクのもたらす影響を知る
5 確率の世界を生きるということ
6 共感をうまく使う、共感に使われない
7 顔の区別が必要になったわけ
8 ルッキズムとアンコンシャスバイアス
9 男と女、違いはあるのか
10 すべてのジェンダーが解放され、女子大が必要なくなる日が来ますように
11 「かわいい」のマジックはどこにある?
12 がんになって五年たちました
13 顔と身体を持つことによるもどかしさ、生きること
著者等紹介
山口真美[ヤマグチマサミ]
1995年お茶の水女子大学人間文化研究科単位取得満期退学。現在、中央大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Roko
32
ルッキズム(見た目第一主義)によって、心を傷つけられたり、差別されたりしていいはずがありません。でも、人間はやってしまうのです。あの人はデブだとか、あの人は外人だとか、あの人は男だか女だかわからないとか。そんな、どっちでもいいことを気にして、そんなどうでもいいことを発言して、他人を傷つけてしまうのです。そして巡り巡って、自分自身も傷つけてしまうのです。2025/08/27
かんがく
9
人間の顔と身体について心理学的なアプローチを行い、文化圏による違いや、ジェンダーの問題などについてエッセイ的に記していく内容。ところどころで紹介される実験や学説が興味深かった。2025/05/26
カエル子
5
ガン闘病しながら研究者としての仕事も継続する中で綴られたエッセイ集。8歳のときに「跡取りは男子」と祖母に言われて強烈なパンチを喰らった著者が、「男女の性役割への抵抗」として密かに家事手伝いから距離を置いていた自分をふり返り、「家事という基本スキル」を学ぶ機会を逸したと後悔するまでになっているって、果てしなく共感してしまったー笑。2019年来のKuToo運動とか、マイナンバーカードに旧姓併記できるようになったとか、知らなかったぞ泣。日本を留守にしてた間のアレコレ含めてとても勉強になりました。2025/08/26
チェアー
4
顔とは何か。身体とは何か。とてもホットな課題だ。AI時代にあって、仕事をしている人は「身体いらない」と思っているケースがあるのでは、と思ったからだ。 顔が見えなければ、そこに人がいるとは認識できない。身体があっても、顔がなければ、人間として認められないのだ。なぜだ。 2025/06/08
ganesha
2
認知心理学の専門家による身体と心、表情や感情、顔認知、他者との関わりから生まれる痛みや矛盾について。白人と黒人で採用に差が出ること、収入において女性は容姿の良さが有利で男性は容姿が悪いと不利になる美貌格差、女子大の意義、リカちゃんとバービーの差が印象的だった。2025/08/26