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動物に「心」は必要か―擬人主義に立ち向かう

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  • サイズ 46判/ページ数 246p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784130133142
  • NDC分類 481.78
  • Cコード C1045

出版社内容情報

動物の行動実験や脳研究から,比較によってヒトの心に迫ろうとしてきた著者が,心の多様性への理解を促す警鐘の書.擬人主義の起源を探り,何が問題なのか,どんな危険性をはらんでいるのかを,擬人主義に飲み込まれつつある心理学の歴史を振り返りながら明らかにしていく.

内容説明

動物の行動実験や脳研究から、比較によってヒトの心に迫ろうとしてきた著者が、心の多様性への理解を促す警鐘の書。擬人主義の起源を探り、なぜ問題なのか、いかに危険性をはらんでいるのかを、擬人主義に飲み込まれつつある心理学の歴史を振り返りながら明らかにしていく。

目次

擬人主義のなにが問題か
観相学における擬人主義と擬動物主義
ダーウィンをルネ・デカルトは知らざりき
哀れなり、ラ・マルク
ダーウィン、ダーウィン、ダーウィン
ウォレス君、何故だ
元祖「心の理論」―ロマネス、モルガンの動物心理学
ドイツ実験心理学の栄光と賢馬ハンスの没落
新大陸の動物心理学
行動主義宣言!
花盛りの動物心理学―新行動主義の栄光
行動分析とスキナーの孤独
比較認知科学―忍び寄る擬人主義
擬人主義を排す
擬人主義・ロマン主義・浪曼主義
動物の哲学
動物、機械との共生

著者等紹介

渡辺茂[ワタナベシゲル]
1948年東京生まれ。1976年慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了、文学博士(心理学)。1995年イグ・ノーベル賞受賞。2017年日本心理学会国際賞・特別賞受賞。現在、慶應義塾大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

11
そもそも「心」とは何か、という問題がある。著者は心理学者なので、心理学の行動主義的な立場から人間と他の生物との「心」とされるものをどう捉えるか考察している。環境や外界から切り離された独立したものとしての心を否定し、状況や文化等様々な影響を受ける従属変数としてのみ心を認めるという著者の立場は確かにその通りで、哲学や芸術が心(精神、内面、理性等々)を周囲から切り離して独立して存在するかのようないわば一種の神のような扱いをする態度の方が、むしろ心の実際の在り方を殺しているだろう。2025/06/06

今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

10
キリスト教の創造論とダーウィンの進化論はぶつかりあってきたけれど、進化論を科学とするならば、人間に至る進化の過程を何がなんでも一本の連綿としたものにしようとしたダーウィン先生の考え方も十二分に突っ込みどころ満載のオカルトだったのだな。動物に心が必要なのかどうかの結論はわかりにくかったけど、動物に心があったほうが人間にとって都合がいいかどうかなんだろう。そのへんの使い分けというか割り切りが西洋の方はすごい。フォアグラのためにガチョウの喉に管つっこんで餌たべさせる、みたいな。で、クジラ食うな、と。2020/03/10

kenitirokikuti

6
スキナーらの行動科学について、枝葉は知ってたが、心理学とはサイキ=アニマの学であり、ヒトの理性を神学的なスタンスで研究するものではない、ということ。著者は心理学における擬人主義ととメンタリズムを認めない。もっとも、著者はハトに行動を刷り込むのがうまく、ハトの気持ちになって行うとしている▲未開の土人に対する人類学上の調査と、動物を対象に行う心理学上の実験は似ている。…2021/01/23

Votoms

5
擬人主義批判ということで読んだ。しかし、研究方法としての擬人主義批判と言いながら、具体的に誰の理論を根本的に批判しているのか不明。しかも筆者自身、擬人主義が有用と言ってる記述もあり、いったい何を批判したいのか鮮明ではない。素朴な意味の擬人主義を前提に理論を提唱している動物行動学者などほとんど存在しないのだから、どこからどこまで受け入れるのかという程度問題に過ぎないように思える。また、少なくとも動物倫理に関して扱った章に関しては不勉強にも程があると誹りを受けても致し方ない内容で、到底まともな論とは言えない2020/02/11

乱読家 護る会支持!

4
なんか、面白そうなタイトルだなぁと思い図書館から借りてきましたが。。。 がっつり、学問としての心理学の本でした(汗)。 そして、心理学には全く興味が無くなった僕には、読み進めるのが苦痛でしかなく、 パラパラ読みすら、途中でギブアップしました(笑) 2023/10/25

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