出版社内容情報
多様性に満ちた現代社会を理解するうえでいま最も重要概念のひとつと呼ばれる「インターセクショナリティ(交差性)」。この分析概念を用いて、様々な地域の歴史、社会、文化のいかなる諸相が浮き彫りになるのかを、様々な角度からアプローチし、新しい世界への認識を導き出す。
内容説明
新しい分析概念・インターセクショナリティを用いて様々な地域の歴史・社会・文化のいかなる諸相が浮き彫りになるかを分析する。
目次
1 インターセクショナリティをめぐる「過去」と「現在」(権力性の交差の場としての物語―クライスト「聖ドミンゴ島の婚約」(一八一一)における「メスティーツェ」の表象
二〇〇年前の「交差点」と「地下室」―『フランケンシュタイン』とインターセクショナリティ
リプロダクティヴ・ジャスティスとインターセクショナリティ―ロレッタ・J・ロスの思想と運動を中心に
社会運動、司法言説、歴史叙述―フィリピン人元「慰安婦」をめぐる権力の交差性について
現代インドから「インターセクショナリティ」を考える―ヒンディー語映画『第一五条』を手がかりに)
2 インターセクショナリティから読み解く現代世界(インターセクショナリティ(交差性)に関する四つの疑問―インターアクション(交互作用)効果を用いた概念の拡張性の検討
イスラエルにおける性的少数者/動物の権利運動とパレスチナ問題―単一争点か複数争点か
エイズから新型コロナ、白紙運動からフェミニズム運動へ―中国における構造的な差別への抵抗とインターセクショナリティの予感
インターセクショナリティに抗するフランス?―共和国の普遍主義の盲点を突く視座の有用性と前途多難な定着の可能性
安心をもたらさないインターセクショナリティへ―共生に向けた小さな覚書)
著者等紹介
土屋和代[ツチヤカズヨ]
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻教授。カリフォルニア大学サンディエゴ校大学院博士課程修了。博士(歴史学)。専門はアメリカ現代史、人種・エスニシティ研究、ジェンダー研究
井坂理穂[イサカリホ]
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻教授。ケンブリッジ大学大学院博士課程修了。博士(歴史学)。専門は南アジア近代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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