出版社内容情報
象徴としての旧約テクストの解釈を通して,超越の顕現する時処を問う.神がいつ,どこに現われるかの象徴分析から,代贖思想の成立にいたる旧約思想を解明.ヘブライ語原典の本文批判に出発し,その倫理学的な根拠づけを試みる.英訳によって国際的評価も高い初版をめぐる,国内外の論評22篇を参看しつつ,ダイナミックな応答と考察を展開した「増補版研究ノート」を追補.【日本学士院賞/和辻哲郎賞受賞】
内容説明
象徴としての旧約の解釈を通して、超越の顕現する時処を問う。英訳によって国際的評価も高い初版をめぐる国内外の論評22篇に、ダイナミックな応答と考察を付した増補版。日本学士院賞・和辻哲郎文化賞受賞。
目次
第1章 十戒の旧約学的解釈と倫理学的根拠づけ(第六戒から第九戒をめぐって;第六戒から第九戒の根拠づけの試み―カントから和辻へ ほか)
第2章 ニヒリストとしてのコーヘレス(研究の現況と課題;ニヒリズムの概念規定―ニーチェ、ハイデッガーに依拠しつつ ほか)
第3章 ダビデにおける罪と赦し、そして償い―サムエル記下一二章と詩篇五一篇を中心に(ヘブライ・ギリシア歴史理解の比較をめぐって;サムエル記下一二章の場合 ほか)
第4章 アダム神話の象徴論的解釈(リクールのアダム神話解釈;アダム神話の私訳と註釈 ほか)
第5章 第二イザヤ書における代贖思想の成立―編集史的考察(苦難の神義論をめぐって;代贖をめぐって)
増補版研究ノート 論評と応答―四半世紀の影響作用史を顧みて
著者等紹介
関根清三[セキネセイゾウ]
1950年、東京生。東京大学文学部倫理学科卒業、同大学院人文社会系研究科倫理学専攻博士課程修了(博士(文学))。ミュンヘン大学プロテスタント神学部旧約聖書学専攻博士課程修了(Dr.Theol.)。北海道大学文学部助教授、東京大学大学院人文社会系研究科教授、ウィーン大学客員教授、放送大学客員教授、旧約学会会長、倫理学会会長などを経て、東京大学名誉教授、聖学院大学大学院特命教授、日本アスペン研究所理事。著書に『内村鑑三 その聖書読解と危機の時代』(筑摩選書、毎日出版文化賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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