出版社内容情報
何を論じれば中国思想を論じたことになるのか.それは日本人にとって他者なのか,自らをも顧みることなのか.現代中国の俊英が溝口雄三の方法(第一部)や昭和史論争を読み解く,日中比較思想史の新展開.日中の彼此から歴史における客観性,政治,記憶のアクチュアリティをめぐる思索へと読者を誘う.
内容説明
日本にとって、中国にとって「昭和史」とは何であったか/何でありうるか。人、国家、他者…、近代史を書くことの倫理をめぐる輻輳する問い現代中国の知性が、「昭和史論争」から論じる。
目次
上編 現代史叙述と「国民の体験」(昭和史論争の縁起;昭和史論争の基本的な対立構造;戦争責任と国民生活の体験;政治闘争の手段としての「科学性」と「客観性」;偽の命題を除去する―歴史と文学の関係の先入観を超えて;相補的な対立関係―『昭和の精神史』の登場)
下編 現代史叙述の認識の枠組み(日本歴史学の倫理の構築;全体的な判断と人格の分析―スターリン批判から生み出された思考;唯物史観の再「発見」;偶然と必然、一般と特殊;学術史と思想史の中の昭和史論争)
著者等紹介
孫歌[ソンカ]
中国社会科学院文学研究所研究員・北京第二外国語学院特聘教授(中国文学・日本思想研究)
鈴木将久[スズキマサヒサ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、明治大学、一橋大学教授などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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