出版社内容情報
《内容》 生と死の倫理が今きびしく問われようとしている。臓器移植など先端医療の現場が提起する新しい諸問題は、人類が長い歴史をかけて培ってきた死生観とどう対立し、いかに交差するのか。古今東西の死生観をひもときながら、新しい生命倫理を考える。
内容説明
臓器移植の現実は、私たちの死生観とどう対立し、いかに交差するのか?生と死の倫理がきびしく問われている今、人類が培ってきた古今東西の知恵をひもとき、新しい生命倫理を考える。
目次
1 死生観をふりかえる(旧約聖書―「生かされてある」生;新約聖書―その生死「弁証法」;古代ギリシア―死者の世界と現世と;西洋(中・近世)―死の中の生
西洋(近・現代)―価値ニヒリズムの系譜 ほか)
2 現代の生命倫理(安楽死の価値判断と自己決定;妊娠中絶と水子供養;私のサナトロジー;脳死臓器移植・プライバシー・生命政策;異端の脳死論 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
regacian
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生命倫理は安楽死・妊娠中絶・脳死など生と同時に死に関わるものである。同じく生と死に密接に関わる死生観を生命倫理と関連付けて議論しようというのが本書の元となる共同研究の目的である。しかし、読んだ印象としては現代においても各々の死生観を尊重するのはその通りだが、生命倫理自体とはやはり関連性が低いように思った。各論は面白いものが多く、道教的な死生観を見た死生観8章、草葉の影に見られる日本の魂観のルーツに言及した死生観9章、安楽死の類型を行った生命倫理1章や水子供養を分析した2章は個人的に特に面白く感じた。2021/07/24
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