出版社内容情報
環境問題や生殖医療において,現在世代は将来世代に対してどのような責任を負っているのか.年金や就業機会をめぐる世代間格差をどのように調整し,教育や社会運動での世代継承をどう構想できるのか.世代間関係の諸相を公共性との関連で考察する.
内容説明
地球環境や生殖医療において現在世代の将来世代への責任は?年金や就業機会をめぐる世代間格差をいかにして調整するか?将来世代の利益を考慮に入れた公共世界。
目次
1 世代間の連結環と公共“善”の情報的基礎―世代間衡平性の経済学と倫理学のために
2 共通善・私的善・公共善―人間の環境と制度の意義をめぐる小考
3 将来世代をめぐる政策と自我
4 生殖補助医療における親の自己決定と子の福祉
5 年金における世代間公平
6 紙一重の世代間就業問題
7 ケアとジェネラティビティからみた福祉
8 ジェネラティビティと世代継承的公共性―教育関係と世代関係から
9 平和運動の世代間対話をめぐって―公共哲学からの思想的論点