内容説明
本書は、化学を中心とした新しい「手法」と、その応用で得られた考古学の重要な「成果」のいくつかを併せて平易に解説したものである。考古学と化学の結びつきという視点では、前二書の延長線上にあるといってもよいが、本書は決してその続編というわけではなく、内容も執筆陣もまったく新しい構想のもとに企画された独立の読物である。
目次
歴史科学と自然科学のあいだ
化学と考古学の接点
考古学における14C年代測定―高精度化と信頼性に関する諸問題
日本列島に原人は存在したか(ルミネッセンス年代測定法による検証;古地磁気からさぐる)
日本列島の旧石器時代人骨はどこまでさかのぼるか―化石骨の年代判定法
中国古代文明をさぐる―鉛同位体比による研究を中心に
先史人は何を食べていたか―炭素・窒素同位体比法でさぐる
日本のイネはどこからきたか―DNA解析
皇朝十二銭の原料をさぐる―元素分析と鉛同位体比分析
文化財保存とオゾン層破壊―臭化メチル殺虫燻蒸に代わる方法は?