アメリカの多民族体制―「民族」の創出

アメリカの多民族体制―「民族」の創出

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  • サイズ A5判/ページ数 342,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130010320
  • NDC分類 316.853
  • Cコード C3000

出版社内容情報

アメリカ合衆国において諸民族集団の「共生」が現実のものとなっているのであれば,「共生」を可能とする「体制」が存在しているのではないか.一線のアメリカ研究者が,ヒスパニック系,アジア系など新・新移民後最新の問題までを射程に,国家統合と差別,民族意識の全体像に迫る.

内容説明

アメリカ社会には、多様な民族や国の出身者の間に発生する民族的緊張や紛争を処理し、共存を可能にするしくみ、すなわち本書で言う「多民族体制」が内在しているのではないかという考えを抱くに至った。―副題を「『民族』の創出」としたのは、アメリカ社会にみられる民族集団の特性=「民族性」は、出身民族や国から継承したものばかりでなく、アメリカへ移住後、新たに創出されたものも少なくないからである。「多民族体制」には、民族性の有為転変をもたらす、ダイナミックな性格も備わっているとみることができる。―本書では民族問題を、国際関係あるいはアメリカ社会全般との関係といったマクロな観点からや、文学評論、政党、労働運動など主要な社会活動に関しても考察することによって、「多民族体制」の性格を多面的に明らかにしたい。

目次

1 多民族体制のしくみ(「民族集団」の形成と多文化主義;「移民国家」における「移民問題」 ほか)
2 多民族体制の展開(ユダヤ系アメリカ人のアイデンティティ;エスニック・グループと政党 ほか)
3 多民族体制の矛盾(日系アメリカ人の再定住とカルフォルニア社会;フィリピン系退役軍人差別是正問題の半世紀 ほか)
4 変貌する民族構成(世界化する都市とカリブ海系移民;再構築されるエスニシティ ほか)