出版社内容情報
日本軍の戦略と戦況、現地の兵士の実態を、日米双方の資料を駆使して太平洋戦争を読み解く。戦局を4期に分けて「戦争の流れ」と「兵士の実態」の二視点から探る。不条理と難題を背負った兵士のリアルな姿から、この戦争の無謀と悲惨を紹介する。
巻頭インタビュー 一ノ瀬俊也氏
一般人が兵士になる過程。そのための教育、戦場で敵を倒すことへの心理的葛藤など。/兵士は何のために戦場で戦ったのか。「バンザイ突撃」などができた背景など。/降伏の是非、軍装・装備品、徴兵制度など、さまざまな日米比較から日本軍兵士の実態を言及してもらう。
第1章 うまくいき過ぎた南方作戦 1941年12月~42年5月
戦争の流れ:開戦からコレヒドール陥落、最大進出の過程を解説/兵士の実態:極端な精神主義だった日本軍/少年兵の育成を重視したのはなぜか/「天皇陛下」のために兵士は戦ったのか/女性兵士が生まれなかった理由は?
第2章 陸海軍の戦略不一致 1942年6月~43年2月
戦争の流れ:大本営陸軍部は大陸方面重視、大本営海軍部は米豪遮断、連合艦隊はミッドウェー作戦で米機動部隊の撃滅を志向した。ポートモレスビー進攻からガダルカナル島撤退までの戦局転換を追う/兵士の実態:海没死はなぜ多かったのか。水虫とマラリアに悩まされた。大きなストレスで精神疾患になる兵士たち。戦場での睡眠・入浴・散髪。
第3章 絶対国防圏の設定 1943年3月~44年8月
戦争の流れ:インパール作戦からフィリピン陥落までを解説。日本軍の劣勢と硬直化した作戦など/兵士の実態:栄養失調になった兵士のその後は。餓死するまで追い込まれた島嶼での戦い。インパール作戦行軍中に自殺が多い謎。
第4章 拠点死守と本土決戦 1944年3月~45年8月
戦争の流れ:拠点死守の命令と本土決戦にいたる流れ、防衛構想を解説/兵士の実態:やる気がなくなった兵士たち。戦場での残虐行為はなぜ起きるのか。特攻の実像を知る。戦友会はセラピーも兼ねていた。
使っていた、戦中も日本人の意識は「親米」だった、など。
感想・レビュー
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キムチ
Masataka Sakai
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