内容説明
米太平洋艦隊前進基地メジュロ環礁に進出した伊五四潜は、敵輸送船団を追尾。米軍にとって虎の子の対潜護衛空母を見事撃沈し、マリアナへの米補給路を遮断した。この間隙を縫って、伊三六一潜が孤立したサイパン守備隊への補給物資輸送に成功する。だが、マリアナの制空権は今なお米軍の手に。部隊配備間もない三式中戦車が決死の攻防戦を展開するも、米軍は圧倒的な砲爆撃で一気に戦線を突破せんとする。窮地を脱すべく日本軍は、補給物資とともに輸送された翔竜で、テニアンの米基地への空襲を決定するが…！
著者等紹介
谷甲州［タニコウシュウ］
１９５１年兵庫県生まれ。青年海外協力隊などを経て作家デビュー。ＳＦ小説、冒険小説、山岳小説など広い分野で高い評価を得ている。９６年『白き嶺の男』で第１５回新田次郎文学賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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kochi
14
上陸した米軍に対して、陣地を縮小し防御を固めるサイパンの日本軍。地の利を生かして倍する敵に対抗する三式戦車小隊の戦いと虎の子のロケット兵器「翔竜」でテニアン攻撃にかける海兵隊が描かれる。実際のサイパン攻防戦も1944年に行われてマリアナ諸島は米国の手に落ちたが、パラレルワールドの「戦塵」世界では何が起こるか？ 本書を含む「覇者の戦塵」シリーズでは、戦闘などの描写よりも、登場人物達があーでもない、こーでもないといろいろ思考する描写が続くのが売りなのだが、この戦いの勝者についての結論がシリーズの本質なのかも。2019/04/10
鐵太郎
1
いつもの甲州節ですが、今回は展開が凄い。三式中戦車の獅子奮迅、翔竜の咆吼。せまいせまい局地戦を描く「箱庭戦場」はいつもながらも、仮想戦記らしいすかっとする展開は久しぶりかも。これは面白い。2014/12/20
hilowmix
1
まあたしかに戦場って錯誤と混乱でできてるようなものだと思う。けど、約一名の海兵隊将校にいささか都合良く混乱が生じていないかなあ。2014/10/20
アオイ模型店
1
三式中戦車がシャーマン相手に獅子奮迅の大活躍!! 中隊長の声を渕上舞に、車長の声を葉山いくみに脳内変換すると、普段の倍楽しめます。2014/10/01
マコト
0
軌道傭兵以来の付き合いの大佐は、シリーズ内でも巻を重ねていくごとに若返っていくような気がしますね。そんなわけで、表紙になってる三式戦車よりも第五章が必見の本書です。（1/35 蓮見大佐プラス列車砲、誰かジオラマ作ってたりしないでしょうか、見たい）2015/01/04
