内容説明
どこまでも広がる青空の下、創世主ファティマの使命により、紙飛行機を召還し、寄生する悪いものを取り除く毎日を送る“羊”たち。飛び交う紙飛行機の途方もない数に、人間たちの切実な思いを感じつつ、いっぽう、その世界の外側で、失踪した天才プログラマー・ファティマの跡を追う“教授”は、その娘“ジュニア”を引き取ることにするが…。第10回C・NOVELS大賞大賞受賞作。
著者等紹介
松葉屋なつみ[マツバヤナツミ]
『歌う峰のアリエス』で第10回C・NOVELS大賞大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Norico
12
サーバーの中に住む羊たち。ほんとに紙飛行機のメールからウイルスを探して食べてくれてたら、かわいいなぁ。ノアとシバたちは、今もどこかで、私のメールもチェックしてくれてるのかしら。ジュニアと教授の話ももっと読みたかったな。星砕きの娘とは、雰囲気も何もかも違っていて驚いた。2020/07/11
ブラフ
10
【途中放棄】うーん…SFとファンタジーのミックスだったか?いずれにせよ主はSFなので、やっぱり合わないなぁ。読み進めても面白さを感じないため、1/3でそっと本を閉じる。2021/02/11
つかさ
7
なんかスゴい。読みきった感想がこれってどうなの…とも思いますが(苦笑)"羊"たちが個性豊かで生も死もあって、プログラムをこう表現することがスゴいなぁ…と。仮想世界と現実世界と平行して物語は進んでいきます。個人的にはそれがもどかしいような不思議な感覚に。ネットワークの海のどこかに羊たちがいるんじゃないかと、ドキドキワクワクしてしまいます。2014/08/09
ほずみずほ
4
穏やかな風景に不思議な力をもつ角持ちの羊たち。これだけ見るととてもファンタジーな世界だが、そこに飛んでくる紙飛行機にはウイルスが潜んでたりそもそもがセキュリティハード?だったりと現実感とファンタジーが織り混ざったなんとも不思議な感覚。前半は穏やかさ故に少し退屈だったが、後半にいくに連れその穏やかさが懐かしくなる。シバとの最後の会話が好きかな。2014/09/25
尚希
4
デビューとは思えない筆力、ちょっとやそっとでは思いつけない設定■プログラムと感情・生命って鉄板のテーマだけどただまだ切り口はあるのだなあ■ピアノ曲聴いてるみたいな心地よさで書かれてて、ぐんぐん引き込まれた。愛しくなる。個人的に今後注目。2014/07/29