新潮文庫
花影の花―大石内蔵助の妻

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  • サイズ 文庫判/ページ数 307p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101241098
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

元禄十六年二月、大石内蔵助、主税父子は忠臣義士として華やかに散る。その影で、ひっそりと咲きつづけた小さく可憐な花…。大石内蔵助の妻となり、別れて後はその遺児大三郎とともに、終生“忠臣の妻”として生きた女、りく。その哀しみ多い六十八年間の生涯が、ここに鮮やかに描き出される。「忠臣蔵」後の秘められたドラマに光をあてた感動の力作長編。吉川英治文学賞受賞作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイプ

18
生まれた時代は違うけれど、子を思う母の気持は同じだと思います。誰が若くして死なせるために子を生むでしょう。死を覚悟した息子の後姿を母はいったいどんな気持で見送ったらいいのでしょう。大石内蔵助の妻、りくの生涯。彼女の目から語られる日々。りくに自分を重ねつつ読みおえる。2017/04/02

Moeko Matsuda

5
まさに歴史の影の花。夫に身も心も仕え尽くした女性の、苦悩と悲しみが綴られる。けれどその本質は、彼女の意地の気高さと、誇り高さだ。母親と同じように、偉大な父親の影で生きなければならない息子の嘆きに、不甲斐なく情けない男だと憤りながらもどこか共感してしまう。死に花を咲かせた男達のかげで、死に損ねて生きていく人々の辛さを忍ばせる、是非もっとたくさんの人々に読んでいただきたい一冊。なお、両国に残る吉良上野介邸跡はいまも残っているが、元の面積の実に80分の1になってしまっているとのこと。2016/01/15

ポメ子

4
大石内蔵助の妻、りくの話。 江戸時代、武士の妻と現代とは、全く異なった環境だが、親戚の外山局や、内蔵助の妾、弟、息子の大三郎とその妻などの関係が現代の小説のように、わかりやすく入り込めるように描かれていて、グイグイと読みすすんだ。 やはり、平岩弓枝さんの作品は、読みやすい。朝井まかてさんの短編での大石りくともまた違った印象で、読み比べると面白い。2018/12/23

ももくり

1
続けて、赤穂浪士の話。今回は大石内蔵助の妻、りくの側からみた話。討ち入り前、主税が母を訪ねてくる場面は涙、涙😭😭。当然だが、人生は命が尽きるまで続いていくわけで、りくの人生も内蔵助の死後も続いていく。慈愛深い父、母、兄に囲まれ、生きていこうとするりく。大三郎はりくの死後、どうなったのだろうか?2021/08/29

jugon-jugon

1
主税の母の気持ちになって、泣いてしまった。2016/01/31

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