内容説明
楽土の門をくぐらんとする者達よ、心して聞け。傷つき疲れた「人」のために、楽土はある。この地に争いはない。が―楽土の門は天路ノ国の北の果てに開かれた。かの地で人は、“音導師”に助けられ争うことなく穏やかに暮らす。楽土へ至る神の約定はただひとつ―多崎礼の新世界、ここに開幕。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
61
『<本の姫>は謳う』から多崎さんに入ったので、漢字にルビが沢山、という文体は非常に好みでした。洋風の言葉を和風に置き換えたり、無理やり漢字に当てはめたりするのがすごく好きなのです。特に好きな人の名前の漢字をこっそり考えているサヨさんのドキドキ感が可愛らしいなあ、と思うのです。サヨさんなら言葉で世界を織りあげるの意味で紗代さんか、それとも世間に稀だの意味で沙世さんか、はたまた歌声のセレナーデの意味で小夜さんかとつらつら考えてしまいました。そして水の加見様が可愛い。おにぎりあげるから一匹くださいなのですら~。2013/05/29
ゆきちん
51
①春。漢字を使った和風よりファンタジー。カミがいて楽土があって。音導師が『音討議』という言葉での戦いで音叉を鳴らし、八百万の神に正否を問う。村の専属音導師サヨのところに、伝説の音導師イーオンが現れてねじれた過去やらがキレイになる。漢字が多いのに文章が軽めでコミカルなのとマジメなのといい話がわりといい感じ。4冊で完結のまだ1冊目。これから盛り上がるはず!夏へ!2017/09/04
ミルルン
38
『煌夜祭』『夢の上』で魅了された多崎さん。最初から強烈な印象を残した『煌夜祭』や『夢の上』に比べると、今のところおとなしめな感じがします。話術、漢字を使ったファンタジーだからなのかな…。武力が禁じられ、争いごとは「音討議」と言われる話し合いで決着をつける楽土が舞台。音討議の場面は興味深く読みました。それぞれの人物も個性的だし、背負っているものも重そう。これからどう解き明かされていくのか、楽しみ。2015/03/20
まりもん
34
伝説の音導師のイーオンとその周囲の人物や環境紹介といった序盤の話。サヨが自分に向き合うことが出来たけれど、フィランスロ教の過激派とどう戦っていくのか気になる。2013/05/08
たるき( ´ ▽ ` )ノ
33
Kindle Unlimitedにて。最近どハマりしている多崎礼さんのファンタジー、今作も期待通りの面白さ!!イーオンは一体何者なのか?これからどんな風に話が展開していくのか、目が離せない。2023/08/21