内容説明
今すぐにも戦闘が始まりそうな距離に敵の陣営があった。だが両軍は三週間もの間、ただ睨み合って時を過ごしている。アード=ケナード隊が到着したのは、そんな奇妙な前線であった。傭兵嫌いの雇い主。秘密を抱える総司令官。沈黙する敵陣。おかしなことだらけの戦場でシャリースは笑みを浮かべる。いつもと同じ不遜な笑みを。その背後にはいつもの仲間たちがいるはず―だった。エンレイズ第二の都市ストリーに黒髪で腕も人当たりもいい医者が一ヶ月ほど前から住み着いていた。その男―ヴァルベイドが街中で出逢ったのは、ここにいるはずのない人物で?陽気で不屈、有能で逞しい傭兵たちと白狼が挑むのは眼前の敵とまだ見えずにいる敵なのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダージリン
25
今回は「前線」と「街」で陰謀が進んでいる複雑系ストーリー(笑)。でも、シャリース達は元気そうで何よりです。スターグは何やら事件の鍵を握っているような。アランデイルが戻れますように!睨み合っていた両軍が動いたところで、下巻へ。2013/09/01
nono
17
図書館本。「バンダル・アート=ケナード」シリーズ八冊目。登場人物が多過ぎる^^膠着した戦場での原因は訳ありの捕虜。この男に纏わる謎にシャリースたちが右往左往。色男のアランデイルが戦線離脱も哀しいが彼の働きも目を惹く。さて遂に闘いか!?次へ行きます。2017/04/01
すがはら
15
安定の面白さ。上下巻あるしタイトルがこれだし、きっと誰かの裏切りで傭兵団がバラバラになっちゃう苦しい展開だよーなんて思って手を出しそびれてた自分の馬鹿者め。お医者の先生も登場して離れた地でのそれぞれの謎解きが動き出す興味津々の上巻。最初の登場でアランデイルの追放は仕込みだと思ったけど、どうやら本当だった…からの、転んでもタダでは起きないシャリース達の逞しさにニヤリとなりました。そして最後が!早く下巻へ行かねば!2023/01/08
nontea
12
久しぶりの新刊!と思ったら上巻だし。続きが気になります!アランデイルが部隊から抜けていたり、先生がこっそり暗躍(?)したり、やっぱりシャリースは苦労人。新しい登場人物がまた増えて、下巻がどのように話を解決させるか楽しみです。2012/10/03
まぁち
9
シリーズ8冊目。第5話の前半。 やっぱり上下巻くらいがいいなぁ。読みごたえがある。国王の間諜・ヴァルベイドが出てくると、話が複雑になって面白い。 傭兵嫌いなのにバンダル・アード=ケナードを雇った平民出身の指揮官。その雇い主との連絡役になぜか指名された若者。ガルヴォ軍の高官だという捕虜の命を狙う者の正体。捕虜引き渡しの交渉中にも関わらず、突如攻めて来たガルヴォ軍。そして、バンダルを追放されたアランデイルと貴族が殺された事件の真相を探るヴァルベイド。謎がいっぱいだが、シャリースはなんだか企んでいるよう…下巻へ2017/03/07