内容説明
京都の修学院離宮で惨殺死体が発見された。胸部、腹部などをメッタ刺しにされ、右手首が切断されていたのだ。被害者は笛吹満子、35歳、洋画配給会社の社長であった。数日後には、予告編制作会社の女専務の死体が、渋谷のシネコン建設用地で発見された。元TVマンで“業界”の事件解決屋・青山は、満子の殺害方法が、彼女が強引に買い付けたフランス映画『神々の赤い峡谷』の殺人場面と類似していることを知る…。シネコン―ひとつの建物の中にいくつものスクリーンを持つ複合型映画館の登場で、大きく変わりつつある映画興行ビジネス界に何が起きているのか?青山栄一、第三の事件簿。