出版社内容情報
「言葉の力の蓄積」、「近代的自然科学」を背景に、「人間の科学」が産声を上げる。人間と社会への根底的批判の眼差しを読む。
【2008年度 毎日出版文化賞(特別賞)受賞】
内容説明
「言葉の力の蓄積」、「近代的自然科学」を背景に、「人間の科学」が産声を上げる。
目次
総論 人間の科学に向かって
ヴィーコ
ロック
バークリ
ヒューム
アダム・スミス
イギリス道徳哲学
リード
モンテスキュー
ヴォルテール
ルソー
ディドロ/ダランベール
コンディヤック
観念学派とその周辺
メーヌ・ド・ビラン
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大森黃馨
4
今回の巻でふと心に留まったキーワードは「スピリチュアリスム」さらに調べてみるとどうも今日で言うスピリチュアルとは別のものらしいがこれらの一体化する動きは本当に何も無かったのかそういえばこの時期は近代魔術の祖であるエリファス・レヴィの活動期にも重なる印刷技術や経済の発展等の要因で大衆もそれに関心が持てる程学問が近くなりだが一方で哲学はちょっとやそっとでは理解出来ないエリート的なものとなっていた故に庶民の哲学としての神秘主義スピリチュアルが生まれ発展していったのかもと愚行する 2022/11/17
・C・
1
このシリーズで最も読破するのに時間がかかり、まとめたノートは3冊目に突入した。科学によって天動説が破壊され神と宗教は力を失った。そこで見出される「正しさ」は人間自身の中に探求される。そんな時代の哲学を描いたのがこの本です。個人的には経験論などの根本的な問題に対する思想の提示が興味深いのに対して、それに基礎付けられた政治哲学などはつまらないなあ、と実感させられました。2017/12/08
R
0
王制のもとで学問が社会を形成していく。大きな権力者が支配している世界で,人々の権利を保障していくための理論が整えられていく。彼らの学問は当時の社会と不可分であり,彼らの思想の要約のみではただの古いおじさまで終わってしまう。当時の社会のありようを少しでも理解することで,彼らがとんでもなくぶっとんでいたことがわかる。今の感覚で読むとまあそうだよねと思ってしまうけど。2022/03/24