出版社内容情報
ルネサンスからロココにいたる西欧絵画を集大成。原画の色調はもとより徴妙なニュアンスをも忠実に再現。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
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プラド美術館には、ルーベンスの大サイズの絵が何点もある。ただ、それらの絵が工場と見紛うばかりのルーベンス工房で製作されたのかと思うと興ざめの感は否めない。ヨーロッパの王侯貴族たちの間でのルーベンス人気に何人もの徒弟たちによって(時には流れ作業のごとく)次々に描かれていったのだから。極端なものになると署名だけがルーベンスというものまであるらしい。しかし、その一方で『フランダースの犬』に登場するアントゥルペンの「キリストの昇架」と「キリストの降架」のような迫力溢れる宗教画も残してはいる。2021/12/29