出版社内容情報
“戦後”を終えた日本演劇は安保騒動の巨大な渦に巻き込まれ、演劇界にも大きな波紋を残し、社会の光陰を演劇は如実に描き出す。
内容説明
「演劇は社会の縮図である」。戦後の混乱が収まり、演劇界は活気を取り戻す。しかし安保条約改定問題で社会は大きく動揺し、ことに新劇人は「政治の季節」に翻弄される。
目次
第1章 六〇年安保前夜―昭和三十四(一九五九)年(東京芸術座の発足;岡倉士朗の死;『マリアの首』の初演;歌舞伎と文楽の初提携公演;『怒りをこめてふり返れ』の初演 ほか)
第2章 政治の季節―昭和三十五(一九六〇)年(安保闘争の嵐の中で;前進座の訪中公演;四代目中村時蔵の誕生;『ゴドーを待ちながら』の本邦初演 ほか)
第3章 劇界騒然の年―昭和三十六(一九六一)年(古川緑波の死;松本幸四郎一門の東宝移籍;俳優小劇場の旗揚げ;菊田一夫の劇作家三十周年記念公演)
喜多村緑郎の死 ほか)
第4章 余塵の中で―昭和三十七(一九六二)年(四代目中村時蔵の急死;森繁劇団の旗揚げ;プロデューサー・システムの『黒蜥蜴』;十一代目市川団十郎誕生;コメディ=フランセーズの初来日公演 ほか)