出版社内容情報
パラレルワールド×歴史改変SF×戦争児童文学
省一と大二郎は花山小学校の六年生。
ある日、教室の屋根裏に入り込んだ二人が降りてみると、そこは「太平洋戦争で日本が勝った世界」だった。
二人は元の「平和な世界」へ戻ろうと試みるが――
やがて旅の終わりに、戦慄と静かな感動が待ち受ける。
「ズッコケ三人組」の巨匠が若き日に発表し、「代表作」と自負した意欲作。
〈解説〉藤田のぼる
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かつて少年少女読者に戦慄をもたらした、児童文学の異色名作を復刊!
【目次】
内容説明
省平と大二郎は、花山小学校の六年生。ある日、教室の屋根裏に入り込んだ二人が下りてみると、そこは「太平洋戦争で日本が勝利した世界」だった。二人は元の「平和な世界」へ戻ろうと試みるが―旅の終わりに、彼らを待ち受けるものとは?「ズッコケ三人組」の巨匠が若き日に書いた意欲的長篇にして、異色の戦争児童文学。
著者等紹介
那須正幹[ナスマサモト]
1942年、広島市生まれ。島根農科大学林学科卒業。東京での会社勤めののち帰郷し、父親の書道塾を手伝うかたわら児童文学を書き始める。学研児童文学賞に応募した『首なし地ぞうの宝』が佳作入選し、72年、デビュー。以降、シリアスからユーモアまで幅広い作風で活動。自らの被爆体験を踏まえ、戦争や原爆をテーマにした作品も多く手がけた。2021年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
にたいも
8
那須正幹さんの名作が中公文庫から復刊!フィリップ・K・ディック「高い城の男」を好む大人やミリタリ好きティーンズにもおすすめ。ミッドウェー海戦で日本が勝利したパラレルワールドに迷い込んでしまった省平と大二郎は、戦艦好きが災いしてスパイの疑いをかけられる。〈きみたちがいま考えていることを、きみたちの生活のなかで実現することもたいせつじゃないのかな。こんな日本はまっぴらだと思うだけじゃあ、戦争はなくならんよ。国民が、いやでも戦争に協力しなくてはならないような、この日本のしくみを改めることがたいせつなんじゃ。〉2025/12/31
コウジ
2
まだ戦争体験が身近だった1975年に書かれた作品だが、太平洋戦争に勝った世界。まだアジアと戦争が続き、軍人が跋扈し、市民を監視している社会が、あれから50年後に戦前体制に回帰しようとしているかのような今日に身近に感じられ怖くなる。平和憲法を敵視している政権とのせられるマスコミ、時代の雰囲気が怖い。憲法記念日に読み終えたが、この作品を多くの人が読んで感じてほしい。平和憲法のもとでの現在の幸せを。2026/05/03
ファルコファン
2
主人公は小学校六年生の二人組。アジア太平洋戦争に日本軍が勝利したパラレルワールドに紛れ込んでしまう。戦争が続いていて、父親が徴兵されたり、小学校での軍事教練や奉安殿へのお辞儀。軍事教練の塾まである。憲兵や反戦組織も出てくる。戦争を昔の出来事ではなく、自分の生活や生き方に直結する問題として考えさせる。扉の次頁に憲法9条を引用。筆者の意図は明白だ。2025年に文庫化される意義がある。50年前の作品なので、女性に対する表現や考え方に違和感を感じる。この設定を活かして、YAを書いてくれる作家はいないだろうか。2026/04/18
ロゼ
2
元の場所に戻れると思っていたがそんな結末になるとは思ってもいなかった。もしもという分岐点、選択を別にしていたらあり得る話ですね2026/01/31
紺
1
そうか。私はこの世界でやっていくしかない。それはあきらめることじゃなくて。周りが黙ってても、誰かと意見が違っても「戦争は嫌だ」と声を上げなきゃいけない。まったく疲れることだけど、それが戦後を生きるということなのだ。子どもの頃の私を支えてくれた三人組から重たいバトンを受け取った。2026/06/10




