出版社内容情報
巨大魚と格闘する老漁夫の姿を通して描く、現代の神話。
20世紀アメリカを代表する作家、アーネスト・ヘミングウェイ。
彼の生前に発表された最後の小説にして、ピュリッツァー賞・ノーベル文学賞を受けるなど世界的に高い評価を得た『老人と海』。
劇作家・批評家の福田恆存によるその翻訳は、日本でも初訳(1955)以来、改訂を重ね、累計500万部を超える大ベストセラーとして読み継がれてきました。
本書は、いわば、日本語訳としてこれまで最も愛されてきた福田訳の、待望の新版です。
今回新たに、ヘミングウェイ作品および『老人と海』が日本でいかに読まれてきたかを示す、作家たちのエッセイを巻末に収録。
〈一生に一度は読みたい、文学の底力を示す名作〉として今も親しまれ続ける小説の、装い新たな復刊です。
内容説明
巨大魚と格闘する老漁夫の姿を通して描かれる、現代の神話―。二十世紀アメリカを代表する作家、ヘミングウェイ。彼が生前発表した最後の小説『老人と海』は、福田恆存の翻訳により、七十年以上にわたり日本人に親しまれてきた。一九五三年の初訳以来、版を重ねてきた本篇に、日本の作家たちのヘミングウェイ評、年譜を併録した新版。
目次
老人と海
『老人と海』の背景(福田恆存)
ヘミングウェイを読む(伝説の人・ヘミングウェイ(鮎川信夫)
反ロマネスク・ヘミングウェイ(柄谷行人)
ヘミングウェイ死す(小島信夫)
身近かな思想―ヘミングウェイと太宰治(安岡章太郎)
E・ヘミングウェイの遺作『エデンの園』を語る(開高健)
父たちの肖像(阿部昭)
獲得を描き喪失に至る―二十世紀の古典・ヘミングウェイ(北方謙三))
著者等紹介
ヘミングウェイ,アーネスト[ヘミングウェイ,アーネスト] [Hemingway,E.M.]
1899年、シカゴ近郊生まれ。高校卒業後、新聞記者となる。第一次世界大戦中、イタリア戦線で重傷を負う。復員後、フリー記者・特派員などのかたわら、本格的な創作を開始。1952年発表の『老人と海』でピュリツァー賞、ノーベル文学賞受賞。61年、アイダホ州の自宅で猟銃自殺
福田恆存[フクダツネアリ]
大正元年(1912)、東京生まれ。東京帝国大学文学部英文学科卒業。戯曲『龍を撫でた男』で第四回読売文学賞戯曲賞、「『シェイクスピア全集』の訳業」で第二回岸田演劇賞、第十九回読売文学賞研究・翻訳賞、「『ハムレット』の翻訳・演出」で芸術選奨文部大臣賞、『私の國語教室』その他で第十二回読売文学賞評論・伝記賞を受賞。平成6年(1994)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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