出版社内容情報
1945年12月、復員船は博多に着いた──。
戦争末期、一兵士としてフィリピンのミンドロ島の警備にあたり、一年弱の俘虜生活を送った復員兵を待っていた戦後社会の混乱、家族や旧友との再会……。
戦争と戦後体験から生まれた名作を集成。遺稿となったエッセイ「二極対立の時代を生き続けたいたわしさ」を付す。
〈解説〉城山三郎 〈巻末エッセイ〉阿部昭
内容説明
戦争末期、フィリピン・レイテ島で一年弱の俘虜生活を送った復員兵を待っていた戦後社会の混乱、家族や旧友との再会…。戦争と戦後体験から生まれた短篇・随筆十篇を集成。昭和天皇重篤に際して「おいたわしい」と述べた遺稿(1988年)を付す。
目次
1(わが復員;妻;帰郷;愉快な連中;再会;神経さん)
2(ミンドロ島誌;西矢隊始末記;フィリピン紀行;昔ながらの草の丘)
遺稿 二極対立の時代を生き続けたいたわしさ
著者等紹介
大岡昇平[オオオカショウヘイ]
明治42年(1909)東京牛込に生まれる。成城高校を経て京大文学部仏文科に入学。成城時代、東大生の小林秀雄にフランス語の個人指導を受け、中原中也、河上徹太郎らを知る。昭和7年京大卒業後、スタンダールの翻訳、文芸批評を試みる。昭和19年3月召集の後、フィリピン、ミンドロ島に派遣され、20年1月米軍の俘虜となり、12月復員。昭和23年『俘虜記』を「文学界」に発表。以後『野火』(読売文学賞)『花影』(新潮社文学賞)『中原中也』(野間文芸賞)『事件』(日本推理作家協会賞賞)等を発表、この間、昭和47年『レイテ戦記』により毎日芸術賞を受賞した。昭和63年(1988)死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 実況・比較西洋建築史講義