出版社内容情報
自身の戦争体験を通して人間心理を追求し、鋭敏な感性で作品に昇華した梅崎春生。
戦後派を代表する著者の戦争を描いた主要作品を収める小説集(全二巻)。
第Ⅰ巻は、敗戦直後に書き上げた出世作「桜島」、芸術選奨文部大臣賞受賞作「狂い凧」を含む十七篇と、関連エッセイを収める。
〈解説〉真鍋元之/日和聡子
内容説明
自身の戦争体験を通して人間心理を追求し、鋭敏な感性で作品に昇華した梅崎春生。戦後派を代表する著者の戦争を描いた主要作品を収める小説集(全二巻)。第1巻は、敗戦直後に書き上げた出世作「桜島」、芸術選奨文部大臣賞受賞作「狂い凧」を含む十七篇と、関連エッセイを収める。
著者等紹介
梅崎春生[ウメザキハルオ]
1915(大正4)年福岡市生まれ。小説家。東京帝国大学国文科卒業前年の39(昭和14)年に「風宴」を発表。大学の講義にはほとんど出席せず、卒業論文は十日ほどで一気に書き上げる。42年陸軍に召集されて対馬重砲隊に赴くが病気のため即日帰郷。44年には海軍に召集される。復員の直後に書き上げた『桜島』のほか『日の果て』など、戦争体験をもとに人間心理を追求し戦後派作家の代表的存在となる。『ボロ家の春秋』で直木賞、『砂時計』で新潮社文学賞、『狂い凧』で芸術選奨文部大臣賞、『幻花』で旭日出版文化賞。65(昭和40)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さえもん
1
終戦を迎えたが、自分達の居場所があるのか・のけものにされてしまうのではないかなど従来の生活へ戻る不安があった、というのは、戦争経験のない現代の我々には想像を絶する感覚である。 昔、おばあちゃんから「おじいちゃんは衛生兵だったから戦争に行かずに済んだ」という話を聞かされていたから、てっきり、病院みたいなところで働いていてそのまま終戦を迎えたのだとばかり思っていたが、『狂い凧』を読んで、衛生兵でも最前線にいることはあり得ることを知って、急に、あの優しい笑顔のおじいちゃんはとうだったのだろうとすごく気になった。2025/04/23
-
- 和書
- ルパンの絆