出版社内容情報
あの夜、ミミはどこからはいりこんできたんだろう――。
パンパン狩りから逃げてきた耳の不自由な女性との純愛「ミミのこと」。
戦災孤児を集めて暮らす「浪曲師朝日丸の話」。
米軍の研究所で働く男のある一日「自動巻時計の一日」。
戦後の混乱期を生きる人々を、鋭くも温かい筆致で描いた直木賞受賞作・候補作全三篇を初集成。〈解説〉滝口悠生
内容説明
あの夜、ミミはどこからはいりこんできたんだろう―。パンパン狩りから逃げてきた耳の不自由な女性との純愛「ミミのこと」。戦災孤児を集めて暮らす「浪曲師朝日丸の話」。上記の直木賞受賞作に候補作「自動巻時計の一日」を併せて収める。戦後の混乱期を生きる人々を、鋭くも温かい筆致で描いた全三篇を一冊にした初の作品集。
著者等紹介
田中小実昌[タナカコミマサ]
1925年、東京生まれ。小説家・翻訳家。東京大学文学部哲学科中退。79年、「浪曲師朝日丸の話」「ミミのこと」で直木賞を、『ポロポロ』で谷崎潤一郎賞を受賞。2000年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tsu55
14
コミさんは、時々11pmなどに出てくる変なオジサンという程度の認識しかなくて、今回が初読み。 酒場で酔客の思い出話のような繰り言のような話を聞かされているような感じだけれど、それがなぜか嫌な感じではなくって、むしろ僕と波長が合っているのか、心地よい。 表題作の「ミミのこと」は見当違いかもしれないけれど、アダムとイヴを連想した 。2025/08/05
でろり~ん
1
そですか、生誕100年。25年前に亡くなっているってことは享年75。ま、長生きの方ですよね。なにかヒントになるような実際の出来事もあったんでしょうけど、この作家はユニークさの距離が長いというのか、ズレ方が面白いですよね。3つ目のは、なんでしょう。ジェイムズ・ジョイスを意識したような部分もあったんでしょうか。哀愁、なんでしょうかね、この作家の特徴は。知らんけど。2025/10/18