出版社内容情報
「昭和」という時代と日本人は、戦争体験を経て激変した。
経済面ではすべてを失いながらも、瞬く間に飛躍的成長を遂げ、人びとの精神や生活習慣も大きく変貌した。
そしてその激動の原動力となったのは、家族の存在だった。
吉野源三郎、幸田文、向田邦子、鎌田敏夫。時代を描く彼らの作品に登場するさまざまな「家族」の変遷から、「昭和」の実像をとらえる。
巻末に「自著解説」を増補。
内容説明
戦争体験を経て激変した「昭和」という時代と日本人。その根底にあったのは、家族の存在だった。吉野源三郎、幸田文、向田邦子、鎌田敏夫…。時代を描いた彼らの作品に登場するさまざまな「家族」の変遷から、「昭和」の実像を描き出す。巻末に、「自著解説」を新たに書き下ろす。
目次
1 「戦前」の夜―向田邦子『父の詫び状』と吉野源三郎『君たちはどう生きるか』(平伏する父;稼ぐ娘;ふたつの家の「家長」;「コペル君」たちの東京;「あの人々」への視線;「大衆」の住む家;家族のプライバシー;大事なことはしゃべらない)
2 女性シングルの昭和戦後―幸田文『流れる』ほか(女だけの家;向島の生家;「おとうと」をなくした人;「脊梁骨を提起しろ」;父の思い出を書く人;女たちがひとりで棲む街;玄人に伍してみたい)
3 退屈と「回想」―鎌田敏夫「金曜日の妻たちへ」ほか(「妻たち」の昭和末;「回想」する彼ら;「回想」しない彼ら;「生まれ育ち」には勝てない;衣食足りて退屈を知る;リバーサイドからベイエリアへ;「昭和」の終焉)
著者等紹介
関川夏央[セキカワナツオ]
1949年新潟県生まれ。上智大学外国語学部中退。『海峡を越えたホームラン』で第七回講談社ノンフィクション賞を、『「坊っちゃん」の時代』(谷口ジローとの共著)で第二回手塚治虫文化賞を、『昭和が明るかった頃』で第一九回講談社エッセイ賞を、2001年「明治以降の日本人と、彼らが生きた時代を捉えた幅広い表現活動」により、第四回司馬遼太郎を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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阿部義彦
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