出版社内容情報
市川憂人氏、大絶賛!
「辻堂ミステリの最高傑作であり真骨頂。
本書で秘密を解くのは探偵ではない。読者である」
先生、聞いて。私は人殺しになります。お願いだから、じゃましないでね?「教師と児童」
わたしだって本当の気持ちを書くからね。ずっと前から、ムカついてた。「姉と妹」
嘘、殺人予告、そしてとある告白……。
大切な人のために綴られた七冊の交換日記。そこに秘められた、驚きの真実と感動とは?
――この緻密な仕掛けを、是非読み解いてください。
内容説明
先生、聞いて。私は人殺しになります。お願いだから、じゃましないでね?(「教師と児童」)わたしだって本当の気持ちを書くからね。ずっと前から、ムカついてた(「姉と妹」)。嘘、殺人予告、そしてとある告白…。大切な人のために綴られた七冊の交換日記。そこに秘められた、驚きの真実と感動とは?
著者等紹介
辻堂ゆめ[ツジドウユメ]
1992年神奈川県生まれ。東京大学卒。第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し『いなくなった私へ』でデビュー。『トリカゴ』で第二十四回大薮春彦賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セシルの夕陽
60
ただの連作短篇集ではなかった。でも、そうかなぁ? 帯や解説で強調されているミステリのジャンルに入れなくてもよいんでは⁈ 心温まるエピソードと仕掛けが詰まった物語♡ 交換日記は小学生の頃、数人グループでやってた。ワクワク感とちょっと背徳感…内緒話が多かった記憶。本書の7話は、1対1の交換日記で綴られている。登場人物たちは心の内を伝える手段を、手書きにすることで、自分自身が整っていく。ステキな先生のアクアマリンのネックレス、私も探したい✨2024/07/30
Karl Heintz Schneider
53
交換日記をめぐる7つの物語。LINE、メール全盛のご時世に交換日記?でも、だからこそ肉筆で書かれた日記が人々の心を打つ。第二話「教師と児童」が印象に残った。「先生聞いて、私は人殺しになります。」そんな生徒からの交換日記を受けて教師は何もしようとしない、なぜ?驚愕の真実に鳥肌が立った。教師はそれをわかっていたのか、それとも・・・デジタルではなく、人の手によって書かれた文字は人の心に響く。改めて、そのことを思い出した。2024/05/31
ううちゃん
35
連作短編でいろんな関係の人の交換日記が語られる。交換日記のお約束に沿って、それぞれに趣深い。あるところでショックなことが明かされ、その後の短編で明かされる事柄。いやぁ、見事に騙されていた。なるほどねぇ。感服。そちらの筋とは関係なく、私的には「教師と児童」が1番よかったな。生きていてくれてありがとう。2025/01/28
よっち
34
先生の提案から始まった交換日記。様々な立場の二人による7編の交換日記が紡ぐ連作短編集。白血病で入院する生徒と先生、教師と殺人予告をする生徒、双子姉妹のやりとり、母に息子が書いた交換日記の真相、交通事故の加害者と被害者のやりとり、上司と部下による手書きの業務日誌を通じた交流、そして先生が縁で出会った夫妻。一つ一つのエピソードを積み重ねてゆく中で、徐々に明らかになってゆく登場人物たちの意外な繋がりとその後にも驚かされましたが、交換日記の広がりを通じて紡がれていった優しさに満ちた関係がとても印象的な物語でした。2024/03/19
ゆきらぱ
32
すごーく良かった。切なくて。 一つ一つのストーリー、組み立て、何もかも琴線に響いた。交換日記、主に小学生の女の子がやる文化。男の子同士はあんまり聞かない(やるのかな?)私もやったし、娘二人もやってた。そして必ず仲間はずれや悪口につながって学校が禁止するのであった。この本の中で書かれている日記は主に先生と交わすものでそんな心配はない。この先生の文が優しいので心地よく読める。抑えたような愛情が全編に感じられる。涙が滲んでくる。ミステリーの部分も抜群だ。 2024/07/03