出版社内容情報
阿漕な商人だけを狙って金を盗み、貧乏長屋にばらまいていた盗人の夫婦。二十年前、長尾官兵衛に罪を見逃してもらった恩義を忘れず、盆と正月に必ず挨拶にやってきていた。しかし今年は妙な伝言を残し、消えてしまった。とんでもねえ連中の尻尾を掴んだ――と。還暦を迎えた“うぽっぽ”が悪事を裁く、傑作捕物帳シリーズ新章第二弾、書き下ろし。
内容説明
阿漕な商人だけを狙って金を盗み、貧乏長屋にばらまいていた盗人の夫婦。二十年前、長尾勘兵衛に罪を見逃してもらった恩義を忘れず、盆と正月に必ず挨拶にやってきていた。しかし今年は妙な伝言を残し、消えてしまった。とんでもねえ連中の尻尾を掴んだ―と。還暦を迎えた“うぽっぽ”が悪をくじく、傑作捕物帳シリーズ新章第二弾、書き下ろし。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。十一年の会社勤めを経て文筆の世界へ入る。江戸の情緒と人情の機微、そして花鳥風月を醸し出す筆致で、多くの読者を魅了している。「鬼役」「鬼役伝」「はぐれ又兵衛例繰控」シリーズで第十一回日本歴史時代作家協会賞「シリーズ賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
90
うぽっぽ終活シリーズの2作目でこの巻にも3つの話が収められています。最初の「赤鰯」というのもいい得て妙で、赤くさび付いた小刀の名刀をきれいに仕上げていくのですが、それらは城中から盗まれたお宝です。お城の中にも悪い人物がはびこっています。また表題となっている話は夫婦の盗人が二十数年ぶりに姿を現し、情報を残して姿を消します。それが大事件の始まりでうまく解決します。南町奉行の根岸も主人公と朝風呂仲間ですがいい役割をしています。2024/12/19
タイ子
73
シリーズ新章第2弾。還暦を迎えたうぽっぽ同心・長尾勘兵衛。彼を毛嫌いする輩たちはじじいよばわりして舐めてかかるけど、まだまだ腕と頭はなまっていない。舐めてかかると怖い男。銀次という心強い岡っ引き、そして、娘婿の定廻り・鯉四郎の存在があるからこそではあるが。鼠小僧ならぬ夫婦小僧として盗んだ金を貧乏長屋にばらまいていた夫婦を20年前に助けた勘兵衛。その夫が意味深な伝言を残して消えた。後ろでうごめく震災のためのお助け金強奪事件。悪党を成敗するには蛇にも鬼にもなる男。弱き者は人情を、カッコいい!2024/03/20
ぶんぶん
23
【図書館】うぽっぼ同心の新シリーズ、第2弾! 相も変わらず飄々と町を行くうぽっぼの旦那、その飄々とした風貌に似あわず悪を突きとめる手腕は流石。 今回も3件の難事件を解決し、颯爽と引き上げる、その淡々とした姿勢に惚れ込んでしまう。 もうそろそろ、同心を引退した方が世界観は広がると追うのだが・・・坂岡氏がこれで良いと思うのなら仕方が無いか。 この世界はこの世界で良いかとも思える。 ますます、頑張ってもらいたい。2024/10/16
ひさか
22
2024年2月中公文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。赤鰯、夏枯草、夫婦小僧、の3つの連作短編。臨時廻りの長尾勘兵衛の正義を貫くマンネリ気味な事件解決が小気味よい。前作と似たようなノリなので、2作目にして、既に少し飽きてきてます。2024/04/30
ゴルフ72
17
還暦を迎えたうぽっぽではあるが未だ矍鑠としている。現代ではないので人生50年の時代と考えたら・・・今回も悪を成敗してくれた。銀次は心強いし、鯉四郎も頼りになる。今回は仁徳先生は出番無しもしっかりラストで出てくるところは流石(笑)2024/04/18