出版社内容情報
「自動告白機みたいなのがありさえすれば」
『自動失恋慰め機の開発も待たれるな』
陸上部のエースに学園祭で告白したい浩太は、AI端末と夜な夜な計画を練る。一方、さくらは幼なじみの家に自分のコピー人格AIを送り込み、恋愛シミュレーションを図るが……。計算では万全なはずだったのに、現実の壁はあくまでも高い。AIがほんのり照らす不器用な主人公たちの未来。
『それをAIと呼ぶのは無理がある』改題
内容説明
陸上部のエースに学園祭で告白するべくAI端末と夜な夜な計画を練る浩太。幼なじみの家に自分のコピー人格AIを送り込み、恋愛シミュレーションを図るさくら。計算は万全なはずなのに、現実の壁はあくまで高く…。AIがほんのり照らす不器用な主人公たちの未来。『それをAIと呼ぶのは無理がある』改題。
著者等紹介
支倉凍砂[ハセクライスナ]
1982年生まれ。作家。2005年、『狼と香辛料』で第十二回電撃小説大賞銀賞を受賞しデビュー。また、サークルSpicy Tailsを主宰し、ノベルゲーム『WORLD END ECONOMiCA』やVRアニメ『Project LUX』の制作なども行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
AIが常に寄り添いサポートする時代。生まれた時からAIに囲まれて育ってきた主人公たちの計算不能な現実の恋や夢を描く近未来青春連作短編。AIに不毛な恋愛相談をする浩太、不登校の幼馴染さくらを心配する裕彦が渡されたもの、かなでが自らのAIを世界一可愛くするために必要だったこと、通学し始めたさくらが痛感するリアル、そして小春に藤次がAI初期化を依頼した理由。AIとの距離感やリアルな人間関係に自信を持てない戸惑いなど、時代が変わっても本質は変わらない繊細で瑞々しいエピソードがなかなか印象的な物語になっていました。2023/11/21
なみ
21
AIの発達した世界を舞台にした青春恋愛小説集。 恋に夢中になったり、AIと向き合ったりする主人公たちがみんな可愛くて、ニヤニヤしながら読むことができます。 それぞれの短編がゆるやかに繋がっているところも面白かった。 お気に入りは、第二話でヒロインとして登場したさくらの視点で描かれる第四話です。 幼馴染みカップルが尊すぎる……。 ベタベタな恋愛ものというよりも、少年少女の成長譚としての側面が強く、とても爽やかな1冊でした。2024/01/02
和尚
15
近未来の汎用AIが一般化して、子供世代の話し相手にAIがなって、社会に浸透している世界観での、AIとの関係性を通じて子供達が描かれている作品。 いや、面白かった。 構成としては章毎に主人公が違うのだけど、それぞれ繋がっていて群像劇的なところも面白いですし、それぞれの主人公の心情も、汎用AIが普及してアバターも持つとそうなるかもと思わされるリアリティも良かった。 変わる時代と、恋をしたり色々考えたりの変わらない心情が表現されてるのが特徴的で、おすすめでした!2023/11/25
イシカミハサミ
13
一般の文庫からの発行だけれど、 ケモノ耳が出てこないだけで 内容的には狼と香辛料シリーズよりもライトかもしれない。 もちろんワールドエンドエコノミカよりも。 それぞれの話はどれも面白かったけれど、 それぞれに登場人物のつながりがある割には 物語的な繋がりはそこまでなく、 1冊の満足感という意味ではもう一押し欲しかった。2024/02/09
しるほろ
1
AIが発達した世の中では、作中のように寄り添い型AIがノーマルになるんだろうかと、想像(妄想)しながら読んでいました。 もしかしたら今でもチャットGPTにこんな相談してる人もいるのではないだろうか笑 読了後はAIだからこその性能と、人間だからこその不器用さを感じましたが、AIの友達も羨ましく思います。 こんな未来も楽しそうだなと。。 2024/06/13