出版社内容情報
底辺女子が人生逆転!? 不遇な家庭に育った17才のユキが、子供を持ちたい人々と貧困女性を救う〝代理母ビジネス〟の賭けに出る。
義父の策略で、違法な代理母出産をさせられた16才のユキ。命がけで出産したにもかかわらず、報酬はすべて義父の手に。再び代理母をさせ稼ごうとする義父の手から逃げだしたユキは、自らの経験を逆手に取り、自分のような貧しい女性を救う大胆な〈代理母ビジネス〉を思いつく。ユキを支えるのは医師の静子&芽衣子のタッグと、ゲイのミチオ&一路。さまざまな事情を抱えた「子どもを持ちたい」人々が、最後の砦としてユキたちを頼ってやってくるが……日本の生殖医療の闇、貧困層の増大、妊娠・出産をめぐる負担など、現代日本が放置した社会問題を明るみにしながら、「代理母」ビジネスのタブーに切り込んだ問題作。
内容説明
二〇四〇年、相次ぐ地震と富士山の噴火で荒廃した東京。十六歳のユキは義父に騙され代理母として出産させられる。苦い経験を糧に、ユキは女性医師、ゲイの友人たちとタッグを組み、子どもを切望する人々と貧困に苦しむ女性をつなぐ「代理母ビジネス」を始める。依頼人、代理母、そして生まれてくる子どもが幸せになるためには?
著者等紹介
垣谷美雨[カキヤミウ]
2005年『竜巻ガール』で小説推理新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
37
産みの親、育ての親、遺伝上の親。つまり母親が三人。こんな出自を持つ子が実際に存在するのだ。その背景には、ネグレストや虐待の問題、貧困ビジネスの問題、所得格差・経済格差の問題、人種差別、さらにはジェンダー差異やLGBTQに対する無理解。様々な問題が絡んでいるようだ。本当の幸せって何だろうか。考えさせられる一冊だった。2023/11/28
よっち
30
義父の策略で違法な代理母出産をさせられた16才のユキ。不遇な家庭に育った彼女が、子供を持ちたい人々と貧困女性を救う代理母ビジネスの賭けに出る物語。相変わらずな救いがない近未来の日本を舞台に、命がけで出産した報酬は全て義父に奪われる状況から逃げ出したユキが、幼馴染のミチオと組んで始めた代理母ビジネス。代理母出産をめぐる様々な人たちの思惑にも翻弄されながらも、どうすれば一番いいのか真摯に向き合って、みんなが幸せになれる方向を考えてゆく、そんな彼女たちが迎えた結末はこれもまた幸せのひとつの形なんでしょうかね…。2023/10/24
金吾
28
近未来の日本が舞台です。こんな状態にはならないだろうしなって欲しくないと思いつつも、こうなってしまうかもという不安を助長されました。2025/06/17
空のかなた
25
代理母、の切り口でもこんな物語になるとは驚き。2040年の日本、富士山は噴火し、東京の都市機能は完全に麻痺、廃墟そのもの。住まいもないユキは義父に16歳にして500万円の対価で代理母にさせられる。もう2度と子供は産みたくないという苦い傷跡を残されて。生きるために必要な事、仲間と力を合わせる事、追われる恐怖、廃墟となった都市でお金もなく生きていくには凄まじいレベルに甘んじるしかない事。身勝手な理由で代理母と言う手段を選ぶ女性達、様々な理由で代理母を請け負う女性達。人の身勝手さと思いやりを見せつけられる力作。2024/07/17
shi-
17
きっと、近いうちに日本でも代理母、認められるんだろうなぁ。 読んでいて、今の少子化の日本、このままでいいのか!!と問われているような気になった。 そう、そう、そうなんだよー、と心の中で何度呟いたか。 化石ジーサン達に、読んでもらいたいな。2023/12/28
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