出版社内容情報
「これからつぶやくひとふしは とても悲しい物語……」
保険会社のコマーシャル・キャンペーン《幸せな家族》のモデルに選ばれた中道家。しかし撮影はなかなか進まず、やがて不気味な唄の歌詞にあわせたかのように、次々と家族が死んでゆく――
刊行以来、全国各地の少年少女に衝撃を与えてきた伝説のジュヴナイル・ミステリ長篇、奇跡の復刊。
〈解説〉松井和翠
内容説明
保険会社のテレビCM“幸せな家族”のモデルに選ばれた中道家。しかし撮影開始直前、父親が変死。やがて不気味な唄の歌詞にあわせたかのように、次々と家族に死が―謎めいた事件を追って最後の手紙に辿りついた時、読者はきっと戦慄する。刊行以来、無数の少年少女に衝撃を与えてきた伝説のジュヴナイル・ミステリ長篇。
著者等紹介
鈴木悦夫[スズキエツオ]
1944年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中より児童文学の創作活動を開始。69年、「祭りの日」で第二回日本児童文学者協会新人賞受賞。児童図書の編集者を経て、作詞・音楽番組の構成など多方面で活躍。83年、「鬼ヶ島通信」創刊に同人として参加(~95年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のんちゃん
120
写真家の中道氏とその家族は、保険会社のテレビCMの〈幸せな家族〉に選ばれ、撮影クルーが家にやってきた。しかし、その日から次々と家族が亡くなっていく。それもある唄の歌詞通りに。最後迄生き残っている小6の次男の語りで物語は進む。刊行は1989年。児童文学作家として名を馳せていた作者の伝説のジョブナイルミステリとの事。犯人は途中でわかるがその動機が不明なものもあり、それを知りたく、一日で一気読み。特に昔の作品という感じもせず、楽しめた。仁木悦子さんの作品を思い出した。やっぱり、少し、今昔の感はあるか。2023/12/11
ちょろこ
119
打ちのめされる一冊。タイトルもいいじゃない、表紙もいいじゃない。なのに…うわっ!本当に児童書なのか?と打ちのめされるこの読後感。このギャップがすごい。テレビCMのモデルに抜擢された5人家族。それは絵に描いたような幸せ家族のはずだったのに…一人また一人と家族が死んでしまうなんて。しかも歌の歌詞になぞらえたような死に方はミステリとして心掻き立てる展開。なんとなく直視したくないもの、それをまざまざと見せられたら嫌なもんだよな…そんなことを思う。これってかなりヤバいチッチッチ。忘れられないチッチッチ仲良し家族。2024/08/15
かぷち
80
少年向けの雑誌に6年に渡って連載されたらしいミステリ。とてもじゃないけど子供向けとは思えない内容。手法としてもクリスティ以来使い古されたもので、目新しさはない。なのに人を惹きつけるものが確かにあった。とある「幸せな」五人家族をモデルにCMを撮影したいとスタッフが訪れた途端に、童歌の通りに次々と関係者が不審な死を遂げていく。美しい姉と語り手の平凡な弟の関係性がなんとも不気味で妙に美しくもあり魅力的(入浴のシーンはこの物語の白眉)。外面と内面は違うもの、何が幸せかなんて当の本人にも分からない。2025/02/02
yukaring
72
ジュブナイル・ミステリらしいがこんなの読んだらお子さまはトラウマ間違いなしの戦慄の物語。保険会社のCM《幸せな家族》に選ばれた中道家。絵に描いたような幸福な家族のはずだったのに…プロローグはいきなり家族が皆死んで1人ぼっちになった小学生6年生の次男・省一くんの衝撃の語りから始まる。一年をかけたCM撮影がスタートする直前、父親が謎の死を遂げてしまう。その後もまるで不気味な唄の歌詞に合わせたように次々に死んでいく家族達。これは見立て殺人なのか?何のために?最後の手紙で解き明かされる真相はかなり苦いものだった。2024/10/20
バネ
72
…途中、犯人が分かってしまってからは、どうして殺したかの答え合わせ。。もっと期待していただけに、残念至極。今度は、紀伊國屋書店の店員サンにダマされた。。2024/08/30