出版社内容情報
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作家・三津田と編集者の三間坂は、これまで家についての禍々しくも興味深い五つの話を知り、次いで〈烏合邸〉で記された四つの体験談にかかわってきた。
そして今回、三間坂の家の蔵から新たに発見されたのが、厳重に封印が施された三つの記録――それらはすべて「家そのものが幽霊」だという奇っ怪な内容で……。
最凶「幽霊屋敷」シリーズ最新作!
〈解説〉芦花公園
内容説明
作家・三津田と編集者の三間坂は、これまで家についての禍々しくも興味深い五つの話を知り、次いで“烏合邸”で記された四つの体験談にかかわってきた。そして今回、三間坂の家の蔵から新たに発見されたのが、厳重に封印が施された三つの記録―それらはすべて「家そのものが幽霊」だという奇っ怪な内容で…。
著者等紹介
三津田信三[ミツダシンゾウ]
奈良県出身。編集者をへて、2001年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
122
三津田さんのこわい家シリーズ三作目です。これは家そのものが存在するのかしないのか、ということでの怪異譚です。三津田さんお得意の友人との考察的な話が時たま収められていて、話としては怖いというよりも気持ち悪い感じが残りました。主人公や関連の人々の性格がこわくなります。私は家の怪異というと映画で見たもの(題名は忘れましたが日本映画とアメリカの先住民の墓地の上に建てた家の話あるいはシャイニングなど)が結構怖かった気がしました。2023/08/30
眠る山猫屋
68
三部作完結?編集者三間坂くんの実家の蔵から出てきた怪異資料から始まるシリーズ、今回は“家自体が怪異”という、有りそうで無かった(若干はあるそうだが)物語を主人公が語るところから始まる。そして三間坂が提供した3つの資料・・・。やはり最初の物語、ある事情から独りで借りた住宅地の家、隣は空き地だが時折、深夜に“家がある”という話が怖い。因縁も不穏な歴史もない土地。主人公だけが呼ばれるという逆らい難い誘惑。誘われる感じも、導かれた後の屋内の様子も穢れた感じが厭だ。そして地下室から先に待つ展開・・・(続く)2023/08/08
ヒデキ
56
三津田さんの「家」シリーズです つい、引き込まれてしまう シリーズですが、 家そのものが、幽霊かもという切口から 語られる作品ですが、このシリーズの語り口である 時間を超えた手記に引っ張られてしまいました2023/08/03
キナコ
42
屋敷シリーズ三作品名。幽霊屋敷がテーマであるが、家そのものが幽霊って解釈は面白い。何故か人が居着かない家や土地への解釈が変わりそうになる。また後半に書けての三津田先生と編集者の三間坂さんとのやりとりでの考察は、何度読んでも圧巻。じわりじわりと差し迫ってくる怖さが魅力的な一冊。シリーズものではあるが、1巻から読まなくても分かる。魔蔵はあと何個の怪異が詰まってるんだろう。2024/01/13
RIN
26
元々が幽霊屋敷をテーマにした三部作であるので、最後に家自体の怪異があっても良いのだけど、どうしても恐怖の対象が巨大化するとスンっとしてしまう。幼少期に観たチャイニーズゴーストストーリーのせいだと思う。個人的には作家三部作の方が不気味で好き。ただホラーが得意じゃ無い人にはこちらの方が読みやすいかもしれない。この人の書く怪異に遭遇した人たちの手記は幾らでも読める。そして大体において作家・三津田が悪い。それにしても三間坂という名字にずっと既視感があったのだけど、魍魎の匣だと今スッキリした。三津田ホラーは楽しい。2023/10/04