出版社内容情報
理化学実験用ガラス器機メーカーの「役立たず社員」瀬野梢恵・二四歳に、まさかの社命が下された! それは、単身長野に赴き、新燃料と注目されるバイオエタノール用米栽培の協力農家の獲得だった。行く先々で断られ続け、なりゆきで農業見習いを始める梢恵。だが多くの出会いが、恋も仕事も中途半端だった彼女を変えてゆく――。〈解説〉田中昌義
内容説明
理化学実験用ガラス器機メーカーの「役立たず社員」瀬野梢恵・二四歳に、まさかの社命が下された!それは、単身長野に赴き、新燃料と注目されるバイオエタノール用米栽培の協力農家の獲得だった。行く先々で断られ続け、なりゆきで農業見習いを始める梢恵。だが多くの出会いが、恋も仕事も中途半端だった彼女を変えてゆく―。
著者等紹介
誉田哲也[ホンダテツヤ]
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第二回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第四回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
334
ホッコリした読書時間を味わえるお仕事小説。誉田さんのすごいところが、作品ごとの世界観の降り幅の大きさにもあることは、ファンの方々もあまり異論を持たれないと思うが、泥臭い業界の話で、考えさせられる逸話も含んでいるのに、作中に一点の影も差さずに、明るく前向きで元気をもらえる物語に仕上げるなど、狙ってやれるものではなく、自然に人物が滲み出てくるのだろうなと脱帽する。色々なピースが化学反応を起こしそうな匂わせをしておいて、あえて答えをださずに道半ばで畳んだ結末もちょうどいい案配だった。ドラマ化しそう。2024/05/07
まさきち
67
東京のガラス機器メーカーで働く梢恵が社長の命令で急遽長野の穂高村に長期出張となり、農業体験を積むこととなる。そんな折発生した東日本大震災の被害を目の当たりにし、農業の重要性にますます関心を強めていく。その過程を農業に疎い梢恵の目線で綴られており、また個性的な「あぐもぐ」の面々のお陰もあって、読んでるこちらにも容易に伝わってきて、楽しみながらのイッキ読みでした。ところで梢恵と彼氏の智之の仲はどうなってしまったのだろう?2025/02/20
優希
43
誉田さん、お仕事小説も書かれるのですね。働くこと、生きることを問う作品でした。役立たずのOLと言われても、成り行きで農業を始めるなど行動力があるじゃないですか。本当に自分のやりたいことを見つけていくのが幸せの条件なのですね。2024/07/14
mincharos
36
なんか誉田さんぽくない作品だったけど、相変わらず読みやすくて面白かった!主人公の梢恵は東京で事務職をしていたが、仕事も恋もうまくいかずなんだかなぁ~な日々。社長命令で長野で農業のお手伝いをすることに!うちの実家は農家だけど、私は田植えの時に少しお手伝いをするくらいだったから、農業ってこんなに大変なんだって今更知れた!そしてうちも誰も農家を継がないので、文吉さんの言葉で胸が痛かった・・・もし職を失ってお金がない!ってなったら、田舎に移住して農業やるべき!でも農業は体が資本だから健康じゃないと出来ないけど、、2023/09/06
koji
28
読友さんのレビューを読んで、「これはおもしろうそう」と感じ読みましたが大当たりでした。誉田さんに「お仕事小説」もあったのですね。時は東日本大震災前後、落ちこぼれOL梢恵が社命で長野県の農場に赴いた所、何と農家見習いとして働く羽目に。おきまりのOL成長物語にとどまらず、本書がすばらしいのは、著者が確り農業を描いている事(体験も交えた徹底した取材の成果ですね)と、真剣に「働くこと、生きること」を考え抜いた言葉選び。一つあげれば、やっぱり「本当に必要なことは、自分に必要なことを自分自身で見極めること」痺れました2024/05/22
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