出版社内容情報
それぞれの東京、それぞれの生活、そこにドラマがある。青春・貧乏・出会いと別れ。地方出身の多くの作家にとって、創作のモチーフとなった「上京」、そして作品の磁場となった「東京」。上京者によって紡がれる多彩な十一篇。
【収録作品】
稲見一良 終着駅
林芙美子 耳輪のついた馬
生方敏郎 東京初上り(抄)
司 修 赤羽モンマルトル
坂口安吾 二十一
浅川マキ プロデューサー
富岡多恵子 十二社の瀧
重松 清 東京に門前払いをくらった彼女のために
丸谷才一 だらだら坂
梶井基次郎 橡の花
佐藤泰志 草の響き
内容説明
それぞれの東京、それぞれの生活、そこにドラマがある。青春・貧乏・出会いと別れ。地方出身の多くの作家にとって、創作のモチーフとなった「上京」、そして作品の磁場となった「東京」。上京者によって紡がれる多彩な十一篇をセレクトする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウチ●
4
オカタケ師匠のもはやライフワークともいえる上京物。今回は中公文庫オリジナルとしてアンソロジストの技が冴えまくる。切り口は「夢にまで見た東京へ。」。アンソロジーを読む醍醐味とは、未開の地を拓いてくれる良きパイロットとなってくれることに尽きる。その点本書は夢のような時間を提供してくれた。まず自分からは手にすることはなかった著者へのアプローチ。自身として小説では初見の丸谷才一著「だらだら坂」を始め、浅川マキ、司修、佐藤泰志etc・・・どれも甲乙つけがたい味のある作品だった!ありがとうございます。おススメ。2023/06/01
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
3
東京初上り〈抄〉 生方敏郎/終着駅 稲見一良/耳輪のついた馬 林芙美子/赤羽モンマルトル 司修/二十一 坂口安吾/プロデューサー 浅川マキ/十二社の瀧 富岡多恵子/東京に門前払いをくらった彼女のために 重松清/だらだら坂 丸谷才一/橡の花 梶井基次郎/草の輝き 佐藤泰志 タイトル通りのアンソロジー。司修、浅川マキが珍しい。東京生まれだから、上京ってのがよくわからない。やっぱり、他の都市に行くのとは違うんだろうか?何を求めてやって来るんだ?大正の頃の狸穴あたりには蛍がいたんだなあ。2025/04/03
山田トラキチ
0
佐藤泰志の「草の響き」が良かった2024/05/13
スティンキー
0
今も昔も、上京って色々な意味を持つ。 それにしても、作家さんの心病む率の高さといったら…2023/05/19