出版社内容情報
日本中から感嘆の声、続々。
『壬生義士伝』『一路』の浅田次郎、最高の感動作。
万延元年(1860年)。姦通の罪を犯した旗本・青山玄蕃に奉行所は切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。「痛えからいやだ」。玄蕃は蝦夷松前藩へ流罪となり、押送人の見習与力・石川乙次郎とともに奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪い玄蕃だが、道中行き会う事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。この男、本当に罪人なのか?
内容説明
万延元年(一八六〇年)。姦通の罪を犯した旗本・青山玄蕃に奉行所は切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。「痛えからいやだ」。玄蕃は蝦夷松前藩へ流罪となり、押送人の見習与力・石川乙次郎とともに奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪く乙次郎を悩ませる玄蕃だが、道中行き会う事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京生まれ。95年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、97年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、06年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞・司馬遼太郎賞、08年『中原の虹』で吉川英治文学賞、10年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞を受賞、16年『帰郷』で大佛次郎賞、19年菊池寛賞を受賞。15年紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じいじ
92
めっちゃ好き、面白いです。主役二人のキャラ設定からして「これは面白いぞ!」との予感が当たりました。突飛なギャグで無理やり笑わせるドタバタ喜劇ではなく、登場人物の仕草・セリフでほっこり笑わせてくれる、私好みのエンタメ小説です。この時代は厳しく罰せられた不義密通(本来は死罪)の汚名を背負った元旗本の罪人と、15歳の麗しき娘に婿入りした見習い与力のコンビが、織りなす奥州への珍道中はサイコーです。…即刻、下巻に突入します。2023/06/08
タイ子
88
江戸から蝦夷松前藩(青森)まで流人を連れて見習与力が旅をする。流罪になった理由が姦通の罪で切腹を申し渡されるも腹切りは痛いからヤダ!ときた。それで許されるこの男の正体は一体何者?!てなわけで、仕方なく、本当に仕方なく連れ添った与力が気の毒。ここからが俄然面白くなる。流人を連れての旅だが、どうやら見かけが旗本然としている流人の姿に若い与力の方が家来に見えるらしい。旅の道中で出会う事情を抱えた旅人を知恵と心意気で解決していく。やっぱ流人のこの男、何者?下巻に入ります。2023/07/21
ばう
67
★★★★姦通罪で切腹を命じられるもの拒否し、松前藩へ流罪となった旗本青山玄蕃と彼の押送人の与力石川乙次郎。青山の犯した罪とは結局具体的には何だったのか、彼の本心は何か、など気になることは山ほど。何と言っても玄蕃が魅力的。格上の家に婿入りして苦労している乙次郎との道中は読んでいて一度も飽きることのない幸せな読書時間でした。とっても気になるところで下巻へ続く、となってしまいました。あ〜早く下巻を読みたい!2024/03/14
ゴルフ72
55
「腹を切るのは痛いからから嫌だ」と言ったのは青山玄蕃、姦通罪ってところがまた面白いんだけど。蝦夷松前藩に流罪を言い渡され、彼を押送するのが若い石川乙二郎。この二人が道中で出会う人々とのかかわりを軸に、若い乙さんの人生勉強が始まる。さあ下巻では仙台から・・・さあどうなる二人の道行 2023/03/19
優希
53
面白かったです。蝦夷地へと流罪になる物語なのに重くないのが読みやすいですね。テンポ良く旅が描かれます。姦通の罪のため、切腹するのが嫌だから流罪を受け入れるとかいうところからしてエンタメの予感がしました。下巻も読みます。2023/04/11