出版社内容情報
大藩藤堂家に仕える澤村甚九郎は、病弱な兄に代わり江戸藩邸出仕を命じられた。伊賀十五家のひとつとはいえ、所詮は貧しい下級藩士。旧い組織の中で汲々と生きる人生にうんざりしていた若い彼は、江戸で立身出世を目論む。だが、夢見ていた甘い思惑は外れ、じゃじゃ馬で鳴らす姫様の守役にされてしまい、困惑する甚九郎だが!? 文庫書き下ろし
内容説明
大藩藤堂家に仕える澤村甚九郎は、病弱な兄に代わり江戸藩邸出仕を命じられた。伊賀十五家のひとつとはいえ、所詮は貧しい下級藩士。旧い組織の中で汲々と生きる人生にうんざりしていた若い彼は、江戸で立身出世を目論む。しかし、夢見ていた甘い思惑は外れ、じゃじゃ馬で鳴らす姫様の守役にされてしまう。困惑する甚九郎だが!?
著者等紹介
吉森大祐[ヨシモリダイスケ]
1968年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、電機メーカーに入社。『幕末ダウンタウン』で第十二回小説現代長編新人賞、『ぴりりと可楽!』で細谷正充賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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onasu
13
伊勢藤堂家に仕える小禄の澤村家。兄の当主に江戸藩邸への出仕が命じられたが病弱なため、代わりに次男・甚九郎が江戸へ。 役向きは奥向きで、傍流の姫の守り役。望んだ役ではないが、部屋住みとしては、江戸でひとり立ちの術を得るべく、唯一の伝手、今は浪々の身の剣術道場の先輩を訪ねるが…。 市井の育ちで窮屈な暮らしの日奈姫、傘張りの内職に務める小川吉右衛門、出口を見つけたいのは甚九郎だけではなかった。己のみがあがいていると思い込んでいたが、すんでのところで手を差し伸べられ、「青二才」だったと気づけてやれやれ。2023/02/05