出版社内容情報
第二次世界大戦下、激しい空爆をさけて疎開していた文豪が、きれぎれに思いかえした平和な日の記憶。表題作に、昭和二十年代に発表した随筆をくわえた『月と狂言師』をもとに、文庫初収載になる戦時下の永井荷風、吉井勇との往復書簡を加えた、谷崎版「終戦日記」。〈註解〉細川光洋〈解説〉千葉俊二
内容説明
第二次世界大戦下、激しい空爆をさけて疎開した文豪が、きれぎれに思いかえす平和な日の記憶。表題作と、戦後すぐに発表した随筆を収めた『月と狂言師』をもとに、文庫初収載になる戦時下の永井荷風、吉井勇との往復書簡などを増補した谷崎版「終戦日記」。
目次
日記(疎開日記;越冬記)
和歌(都わすれの記)
小説(A夫人の手紙)
随筆(月と狂言師;雪)
著者等紹介
谷崎潤一郎[タニザキジュンイチロウ]
明治19年(1886)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝国大学国文科に入学するも、のち中退。明治43年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『少将滋幹の母』『鍵』など、豊麗な官能美と陰翳ある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和40年(1965)7月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また昭和24年には、第八回文化勲章を受けた。昭和39年、日本人としてはじめて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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