出版社内容情報
中堅の専門商社・銀栄紙商事に入社した神井航樹は、仕入部に配属された。無理解な上司に反発しつつも、先輩や取引先の「鬼」部長に揉まれながら、同期の由里や樋渡らとともに品薄な用紙の確保に奔走する。一方で航樹は、人知れずある夢を追うことに――。
不本意な就職をしながら奮闘する若者の仕事と恋を描いた、すべての働く人々に贈る感動の人間ドラマ。『銀座の紙ひこうき』改題。
〈解説〉狩野大樹
内容説明
出版社に入れず銀座の紙の代理店に入社した神井航樹は、無理解な上司に睨まれ、先輩や取引先の「鬼」部長に揉まれつつ、本は紙でできていることを胸に品薄な用紙の確保に奔走する。社会の荒波に飛び込み、一歩一歩夢へと近づいていく若者の仕事と恋を描く、すべての働く人々に贈る感動の人間ドラマ。
著者等紹介
はらだみずき[ハラダミズキ]
学生時代に小説家を夢みるも挫折。出版業界を目指すが叶わず、紙の専門商社に入社。出版社に転職するものの一年経たずに倒産。別の出版社で営業の責任者となるが社長の企画に反対した末に退職。その後、理想の会社を目指し出版社を立ち上げ、雑誌編集長、発行人に。2006年『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』でデビューし、遂に夢だった作家の道へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん🍊
98
著者の自伝的小説なのかなと思われる作品、出版社への就職jに破れ、銀座に本社のある紙の商社に就職した主人公のお仕事小説でもあり、青春小説でもある、本は紙で出来ている、希望した職種ではなかったが、少しでも出版に近づく為に奮闘するも思うように行かなかったり悩んだりするが、夢に近づく道は真っ直ぐな1本道ではない、回り道でも役に立たない事はない。文庫本化で改変されたらしいが、単行本の『銀座の紙ひこうき』と言うタイトルの方がよかた。2022/11/21
カブ
49
時は昭和時代、新入社員として紙の代理店に入社した主人公が、成長していく様が描かれる一方で、紙のことが詳しくわかる本好きにはたまらない作品です。本は紙でできている。「本、そして紙を愛する人に」2022/07/05
ともくん
36
"本は紙でできている" 一九八七年、紙の代理店に入社した神井航樹。 あまりにありふれた事実に、意識もしていなかった。 航樹の夢は、紙でできている。 だが、紙の代理店では実現できない。 本音と建前。 これを前に、苦悩する航樹はどうするのか。 2023/10/23
SHADE
28
最高に面白かった!作者自身の話では…?と思った。僕も職種を変えた経験がある。不安しかない当時の記憶が鮮明に蘇った。数々の苦い失敗。人も沢山怒らせた。やがて無知が不安を作り上げるのだと思い知った。不安を抱えた人間のやる先には失敗が待っている。無知の反対は経験。経験を積めば対処力が増し必要以上の不安は持たなくて、済む。落ち着いた行動の先には人に対する思い遣りなどの余裕も生まれる。【年の功】とは良く言ったもので、人生は経験が全てだと今のところ、思っている。そんな思いを改めて呼び起こしてくれた貴重な作品だった。2022/08/28
coco夏ko10角
20
銀座にある銀栄紙商事に入社した神井航樹の就活~入社数年目。小説というよりは本当にこの時期の神井航樹という人の生活を切り取ったかのようなリアル。紙を扱う会社の仕入部のお仕事の様子。「紙」のあれこれよかった。男女雇用機会均等法直後なんだよね…由里の数年間と最後どういう思いで…と色んな場面でのこの子の気持ちを想像してしまう。元タイトル『銀座の紙ひこうき』2024/04/15
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