出版社内容情報
没後50年を迎えた川端康成の短篇から、現世界から少しだけずれた、あるいはその奥行きの見方が通常と異なる別の相を感知していると読める作品を集めた一冊。
幻想的、あるいは怪談的と受けとめられる作品も多いが、選択にあたっては、あくまで生の不可解さを自然主義的叙述によらず、技巧的に描いた作品であることを基準とした。
川端文学の特異な一面を堪能できる小説選。
(収録作品)心中/白い満月/地獄/故郷/離合/冬の曲/朝雲/死体紹介人/蛇/犬/赤い喪服/毛眼鏡の歌/弓浦市/めずらしい人/無言/たまゆら/恋情/二黒/眠り薬
内容説明
川端康成の小説作品に感知される、現世界への通常の認識からはいくらかずれた「異相」。初期の掌篇『心中』をはじめ、生死の不可解さを技巧的に描いた作品に、その傾向が顕著である。小説十六篇、随筆三篇により、川端文学の謎めいた魅力を一望するアンソロジー。
著者等紹介
川端康成[カワバタヤスナリ]
1899(明治32)年、大阪生まれ。幼くして父母を失い、十五歳で祖父も失って孤児となり、伯父に引き取られる。東京帝国大学国文学科卒業。東大在学中に同人誌「新思潮」の第六次を発刊し、菊池寛らの好評を得て文壇に登場する。1926(大正15・昭和元)年に発表した「伊豆の踊子」以来、昭和文壇の第一人者として『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』などを発表。68(昭和43)年、日本人初のノーベル文学賞を受賞。72(昭和47)年4月、自殺
高原英理[タカハラエイリ]
1959年、三重県生まれ。小説家・文芸評論家。立教大学文学部卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了(価値システム専攻)。85年、小説「少女のための鏖殺作法」で幻想文学新人賞受賞。96年、三島由紀夫と江戸川乱歩を論じた評論「語りの事故現場」で群像新人文学賞評論部門優秀作を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コットン
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