出版社内容情報
文章術は泥棒に学べ!? ロングセラー『論文の書き方』の姉妹編。実践に役立つ文章修業の本道を説く。社会学者・ジャーナリストとしても活躍した著者による体験的文章指南。〈解説〉斎藤美奈子
(以下、本文より)
その中の或る文字、或る言葉、或る文章を大変に好きだと思い、反対に、その中の或る文字、或る言葉、或る文章を非常に厭だと感じるような人、そういう人は、立派な文章が書ける素質のある人だろうと思います。
実際に、その人の文章と瓜二つのような文章を何篇も書いてみることです。これが文章修業の本道で、それ以外に道はありません。一にも真似、二にも真似、三にも真似です。
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締切という時間的限定、枚数という空間的限定、この二つの限定が曖昧なのが研究室の特色で、それと反対に、この二つの限定が厳格なのがジャーナリズムの約束です。
文章を修業するのには、自分で締切と枚数とを厳重に定めて、これを自分に課するという方法をお勧めしたいように思うのです。
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文章というのは一種の建築物だと考えています。大きな論文はビルディングのようなもの、小さな文章は交番のようなもので、文章が建築物であるならば、それを作るのには、どうしても、設計図がなければなりません。正確な設計図を用意せずに、文章を書き始めたら、論旨不明の文章が出来上るのは全く当然のことです。
内容説明
文章術は泥棒に学べ!?「思った通りに書く」という従来の文章作法は間違っている―。社会学者・ジャーナリストとして活躍した著者が、自身の執筆生活を振り返りつつ、日本語で文章を書くための初歩的で根本的な方法を、わかりやすく説く。ロングセラー『論文の書き方』の姉妹篇。
目次
1 文章らしい文章とは何か(好きな文章を真似ること;経験を伝統から解放すること ほか)
2 良い文章を書くための方法(他人の心を盗む計算をすること;「真理」を伝えるためのレトリックを忘れないこと ほか)
3 日本語を知るための方法(外国語を通して日本語を学ぶこと;「それ」へ逃げないこと ほか)
4 話し、聞くための方法(話し方にもルールがあること;型に嵌まった美辞麗句は避けること ほか)
5 読み、考えるための方法(自分自身を確かめること;読書を受身の精神活動に終らせないこと ほか)
著者等紹介
清水幾太郎[シミズイクタロウ]
1907(明治40)年、東京生まれ。社会学者。東京帝国大学文学部社会学科卒業。文学博士。二十世紀研究所所長などを経て、学習院大学教授、清水研究室主宰。88(昭和63)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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