出版社内容情報
三十五歳の誕生日を迎えたメイ。「いつから彼氏いないんですか?」「何が目標なんですか?」――失礼な後輩に憤慨しつつも、カフェの副店長として働く日々はそれなりに充実している。毎日同じメニューを頼むお客さんも、そんな日常の一部だったのだけど……。久しぶりの恋に戸惑う、大人になりきれない私たちの恋愛小説。<解説>渡辺雄介
内容説明
三十五歳の誕生日を迎えたメイ。「いつから彼氏いないんですか?」「何が目標なんですか?」―失礼な後輩に憤慨しつつも、カフェの副店長として働く日々はそれなりに充実している。毎日同じメニューを頼むお客さんも、そんな日常の一部だったのだけど…。久しぶりの恋に戸惑う、大人になりきれない私たちの恋愛小説。
著者等紹介
畑野智美[ハタノトモミ]
1979年東京都生まれ。2010年「国道沿いのファミレス」で第二十三回小説すばる新人賞を受賞。13年に『海の見える街』で、14年に『南部芸能事務所』で吉川英治文学新人賞の候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
卵焼き
116
畑野さんの作品、なかなか、引き込まれました。メイさんが店長試験を受け、店長として、札幌に転勤になるなど、ちょっと驚きました。 畑野さんは、青春小説という印象が強いが今回は、違い、メイさんに焦点があてられ、その人間関係がとても面白かった。2022/02/24
さてさて
114
『いい人生とは、なんなのだろう。恋愛や結婚が全てではないと思っても、好きな人と一緒にいることがいい人生という気がする』。そんな思いの先に主人公・メイの思いの丈を見るこの作品。そこには、”8年ぶりに、恋をした”というメイの揺れ動く内面が丁寧に描かれていました。読者の大半が予想するであろう展開にも関わらず、自然とあたたかいものが込み上げるその結末に畑野さんの上手さを改めて感じさせる、そんな”恋愛物語”が描かれるこの作品。『三十五歳』という複雑な思いが交錯する時代のリアルを鮮やかに描き出す素晴らしい作品でした。2025/06/06
アッシュ姉
74
大人になったら、二十歳になったら、三十になったら、四十になったらと考えてきたけど、想像どおりになったためしがない。怒涛の三十代を過ごした身からすると、主人公は健全というかピュアというか何とも感想が難しい。人生いろいろ、悩みもそれぞれ、悔いのない選択を。2024/02/20
kei302
67
最後の一行に全てが凝縮されている。「この街の春は 東京よりも遅く来る」すてきな終わり方。メイの生真面目さが畑野さんと重なって、応援しながら読んだ。恋愛、仕事、生き方や将来など、真剣に向き合ったからこその春。とてもよかった。渡辺雄介さんの解説は、本作やほかの畑野作品をより深く味わえる内容。こちらもよかった。 ■#大人になったら感想、8日まで「後日談」プレゼント配信していたそうで、残念(-_-)。読メでも特別企画してほしいなあ。 2022/05/10
Karl Heintz Schneider
66
35歳の葛城メイはカフェの副店長。父親は愛人を作って離婚、母親は数年前に病死。天涯孤独なうえに、彼氏いない歴8年。将来のことや、職場での立ち位置など悩みは多いが実はひとり、気になっている男性がいる。その人は店の近くにある塾の講師で毎日、店にランチを食べにくる。そんな彼とある日街中でバッタリ出会い話をしたことによりそれ以降、お互いを意識するようになる。畑野智美さんは随分前に2冊ほど読んだ。「国道沿いのファミレスで」「感情8号線」後者はテレビドラマにもなり、1話だけ観た。2話以降はBSだったため観るのを諦めた2022/06/02
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- 和書
- 夏日狂想 新潮文庫