出版社内容情報
昭和・戦後期は、純文学が熱く読まれた。文学が躍動した時代だ――。一九四五年八月から八九年一月までの間に発表された作品から現代詩作家・荒川洋治が名篇を厳選。志賀直哉、高見順から田中小実昌、色川武大まで戦後という時代を彩った全十四篇を発表年代順に収録。昭和文学アンソロジーの決定版。文庫オリジナル。
〈解説〉荒川洋治
内容説明
昭和・戦後期は、純文学が熱く読まれた。文学が躍動した時代だ―。一九四五年八月から八九年一月までの間に発表された作品から現代詩作家・荒川洋治が名篇を厳選。志賀直哉、高見順から田中小実昌、色川武大まで昭和という時代を彩った全十四篇を発表年代順に収録。戦後文学アンソロジーの決定版。文庫オリジナル。
著者等紹介
荒川洋治[アラカワヨウジ]
1949(昭和24)年、福井県生まれ。現代詩作家。早稲田大学第一文学部文芸科を卒業。75年の詩集『水駅』でH氏賞を受賞。『渡世』で高見順賞、『空中の茱萸』で読売文学賞、『心理』で萩原朔太郎賞、『北山十八間戸』で鮎川信夫賞、評論集『文芸時評という感想』で小林秀雄賞を受賞。新潮創刊一〇〇周年記念『名短篇』の編集長をつとめた。17年より、川端康成文学賞選考委員。19年、恩賜賞・日本芸術院賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
86
現代詩の詩人の荒川洋治さんが選んだ昭和の短編を14作品が掲載されています。すべて読んだことがなかったのですが楽しめました。やはり一番印象に残ったのは阿部昭さんの「明治二十四年夏」で父親の若き頃を友人たちの手紙から想像して見つめ返します。私は阿部さんのほかの短編はいくつか読んだことがあるのですがやはりいいですね。それと高見順の「草のいのちを」の中に出てくる詩が高見順らしくなかったのでやはり印象に残りました。2022/02/24
森の三時
43
荒川洋治さん編の昭和の短篇集。自分では存在さえ知らずに手に取らないであろうと思われた。戦中や終戦直後を描いた作品が多い。しばしタイムスリップして昔の日本人を見た。2022/02/10
Aminadab
29
駅前の書店で衝動買い。荒川はすでに4回にわたり雑誌特集等で1人1篇を選したことがあり、その中からさらに14篇に絞ったのがこの文庫。令和の読者を対象に、超有名な代表作でも構わず採用する方針。私の既読はわずか3篇(直也「灰色の月」三島「橋づくし」小実昌「ポロポロ」)。14篇ともそれぞれ選択理由は納得できるが私には嵌まらなかったのも2篇ほどあり。三島は再読ながら超名作でグーグルアース見ながら思わず再々読。最高傑作は巻末の色川武大「百」。表題も本文もぎりぎりまで濃縮しぬいた切実な父親介護小説。これだけで元取れる。2023/03/13
フリウリ
18
荒川洋治さんの選んだ短編集。志賀直哉、高見順、中野重治から、田中小実昌、野間宏、吉行淳之介、色川武大へと至る流れには、独特なものがあると思いますが、やはり詩人としての本の読み方が示されていると思い、おもしろかったです。近年、文芸作品の短編集などでは「書評家」「フリーライター」「エッセイスト」などを名乗る方が、編者を務めるケースを目にしますが、その選択や配列、コメントなどから、編者が作品をどのように読んでいるかが、その深さや広がりを含めて自ずと伝わってきてしまうので、生半可ではできない仕事だと思いました。72024/01/04
naotan
15
誰もが知ってるような定番ものでなく、目立たないところから選び抜かれた名作揃いで楽しめました。巻末の解説も〇です。2023/01/22
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