出版社内容情報
北条早雲、斎藤道三よりも早く下克上を成し、
戦国時代の扉を開いた男がいた。
室町時代末期の関東。主君の横暴により全てを失った長尾景春は、下剋上を成し遂げるため立ち上がる。それを阻むのは、幼き頃より兄と慕った名将・太田道灌。そして景春が誰よりも戦いたくなかった相手だった。逆徒、奸賊、叛鬼。悪名を轟かせる景春を中心に、やがて戦国乱世の扉が開いていく――。
戦国前夜をダイナミックに描いた本格歴史小説!
巻末に著者と本郷和人氏の対談を特別収録。
内容説明
室町時代末期の関東。主君の横暴により全てを失った長尾景春は、下剋上を成し遂げるため立ち上がる。旧体制を打ち砕き、新しい世を築こうとする景春の前に立ち塞がるのは、かつて兄と慕った名将・太田道潅だった。逆徒、奸賊、叛鬼―。悪名を轟かせる景春を中心に、この国に戦国乱世が訪れる。
著者等紹介
伊東潤[イトウジュン]
1960年、横浜市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。外資系企業に勤務後、経営コンサルタントを経て2007年ネ『武田家滅亡』(KADOKAWA)でデビュー。『国を蹴った男』(講談社)で第三十四回吉川英治文学新人賞を、『巨鯨の海』(光文社)で第四回山田風太郎賞を受賞。そのほか文学賞多数受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニックス
17
伊東潤の戦国前期の関東史は面白い。他の本も読んだが、そのおかげで、後北条氏の歴史やその前の古河公方や関東管領の歴史に非常に興味がわくようになった。この本は長尾景春の物語。長尾景春はこの本で戦国時代の扉を開いた男として紹介されており、下克上を行った男。北条早雲や斎藤道三のように下克上を成し遂げきれなかったことが、歴史に埋もれた理由だと思うが、それでも叛鬼にふさわしく下克上を行った人だった。この本ではp70「ーわしは破壊者なのか!」の場面で長尾景春が下克上に向かう。星42022/09/16
誰かのプリン
16
戦国前期取り分け関東の動静が複雑で難しい。本書を読んでもやたらおなじような名前が出てくる。でも上手くキャラを作っているので読みやすかった。この時代の他の作品も読みたい。⭐5💯2021/10/12
マツユキ
14
ゆうきまさみさんの『新九郎、奔る!』を読んで、小説でもこの時代を。長尾景春が主人公。下克上と聞いても、そういうもんよね、と軽く流しがちですが、当然、思い通りに行くわけではなく、それでも、家族や、尊敬する人と別れても、何度も、突き進む長尾景春の生き方に、迫力がありました。心残りはあるけれど、時代は動いていく。歴史小説面白い。続いて『黎明に起つ』、『天下を買った女』を読みたい。2023/04/05
タカボー
8
太田道灌が活躍する本を読みたくて。主人公は長尾景春。戦国時代初期のこの時期は、何回読んでも混乱する。補佐的な役職が多過ぎるのが元凶なのかな。一つの部署に副部長と部長代理と部長補佐が同時にいたとしたら、争いにならない方がおかしい。同じような名前が多いせいもあっていつも記憶に残らない裏の主人公、上杉顕定のキャラが立っていて面白い。2022/04/23
ikedajack
6
織田信長前に関東での戦いを描いた一冊。長尾春景と太田道灌の戦いが面白くまるで三國志の孔明のような戦術が随所に見られます。この時代の歴史小説は知らない事が多く、その後の戦国時代に繋がり興味深いです。2022/05/08