出版社内容情報
売春疑いがある女子中学生の全裸死体が発見された。捜査一課のベテラン刑事の宮本と若手刑事の谷内は犯人を追い詰めたが、谷内は殉職、犯人は死亡した。
事件は解決済みと思われ、責任を問われたベテラン刑事の宮本は退職する。谷内の婚約者・爽子と出会った宮本は、倉庫会社の警備の仕事に就き、爽子の画家志望の友人・淳子や有力画商、その愛人・昭子と知り合う。昭子の描いた肖像画が事件の鍵だと気づきいた宮本に真犯人が忍び寄り、第二、第三の殺人が…!
最後まで手に汗握る傑作サスペンス・ミステリー。
〈解説〉山前 譲
内容説明
ベテラン刑事の宮本は女学生殺しの犯人を追い詰めるも、若手刑事の谷内が殉職し犯人は死亡した。責任を問われ退職した宮本は谷内の婚約者・爽子と出会い、警備の仕事に就く。有力画商やその愛人と知り合い、事件の真相を覆す似顔絵の存在に気づいた宮本は何者かに襲われて―。衝撃のラストに震える傑作サスペンス・ミステリー。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。76年に「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、サラリーマンから作家業に専念する。80年に『悪妻に捧げるレクイエム』で角川小説賞を受賞。2016年に『東京零年』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キンモクセイ
50
ベテラン刑事の宮本と若手の谷内が女子中学生の殺人事件の容疑者を追っていた。追い詰めた先で谷内が殉職してしまう。事件から数ヶ月後に警察を辞めた宮本と谷内の婚約者だった爽子と偶然出会う。二人はあの時の事件に疑問を持つが、捜査は解決され終了していた。だが、宮本は腑に落ちなかった。何かが引っ掛かっていた。割と序盤で驚きの事態が待ち受けている。まるでバトンリレーのような感覚。助けを簡単に呼べない軽井沢の山荘での緊迫感。抜け出せたのにまだ終わらない。このラスト。全てこうなるために始まったストーリーなのかもしれない。2022/03/04
Aminadab
24
同じお薦めサイトに従って赤川次郎5冊目。1980年の長編。すごくテンポのいい快作でお薦めだが、やっぱりネタバレを避けようとすると感想を書きにくい。いいミステリって冒頭の、何の話をこれから読まされるかまだ知らされていない間のドキドキ感が値打ちのひとつなので、粗筋を書いただけでその楽しみが奪われてしまう。本作では第1章が猛スピードで片づいたあと、第2章では別の視点人物の立場から同じ話をたどり直す中で、主要人物である画商の人物像(エグ味があって素晴らしい)が浮き彫りになってくる。そのあたりの不穏感が○。2022/02/10
ちえちゃん
12
35年程前の推理小説。真相を掴みかけた者から手がかりを次の者に託し殺されていく。リレーのように真相が分かっていく。そういう結末?!犯人が分かるより驚いた。別荘の電話線を切られ遠く離れた隣家に電話をかけに必死に走っていくシーンに時代を感じた。スマホの無い時代は大変だ(笑)2022/02/15
coco夏ko10角
10
感想は続編『裁かれた女』で2022/11/02
リリパス
10
簡単に書くと、<とある事件の重要参考人として追われていた男が、刑事に職務質問されそうになって逃げ出し、たまたま運悪く、走って来たトラックにはねられて死んでしまいます。被疑者死亡として事件は解決した。ように見えましたが、「死んだ男は犯人じゃないのでは・・・?真犯人がいるのでは・・・」という、新たな証言が飛び出してきて・・・・。>というお話。面白かったのですが、ちょっと後味が悪かったかも・・・・。2021/05/21