出版社内容情報
にじり口はなぜ狭いのか?廻しのみはいつ始まったのか?芸態から茶会の構造・空間・趣向まで下剋上を背景に発展した茶の湯を民俗・芸能の視点でとらえる
第一章 わび茶の創造
特異なる文化
孤独な茶の湯 日本文化の特殊性 日本と朝鮮 千利休の位置
にじり口と廻しのみ
にじり口の誕生 廻しのみ
第二章 中世からの離脱
茶会の構造
『喫茶往来』 切りすてられた後段
茶会の空間
市中の山居 露地のふるまい 籠る
なぜ点前か
点前か手前か 亭主と客の空間 茶立人から亭主へ
第三章 茶人のふるまい
あぐらから正坐へ
混みあう茶会 片膝とかしこまる
あるきかたの源流
あるく文化 練りあるく 地に足がつく
茶人のすがた
客の心得 新シキガヨシ
茶名と十徳
仮りの名前 十徳とは何か
第四章 茶会の趣向
趣向の成立
ハプニング 淋間茶湯 『祭礼草紙』の問題 風呂のあがりや
風流・やつし・見立て
風流 やつしの美 利休の趣向 付合と見立て
季節感の登場
時候のあいさつ 茶会のなかの季節 ばせを忌に薄茶手向くる寒さ哉
第五章 わび茶の周辺
茶筅の歴史
茶筅のおいたち 王服茶筌由来記 茶筅の民俗性
茶屋の歴史
煎じ物売り 檜垣茶屋 利休亡魂
史料による茶の歴史
内容説明
にじり口はなぜ狭いのか?廻しのみはいつ始まったのか?手水(ちょうず)に隠された意味とは?わび茶の儀礼や立ち居振る舞いなどの芸態から独自の文化的価値を分析、茶会の構造・空間・趣向の全体像を提示、茶筅や茶屋の歴史にも言及する。下剋上を背景に発展した茶の湯を民俗学と芸能史の視点でとらえ、新しい茶の湯の在り方を展望する。
目次
第1章 わび茶の創造(特異なる文化;にじり口と廻しのみ)
第2章 中世からの離脱(茶会の構造;茶室の空間;なぜ点前か)
第3章 茶人のふるまい(あぐらから正坐へ;あるきかたの源流;茶人のすがた;茶名と十徳)
第4章 茶会の趣向(趣向の成立;風流・やつし・見立て;季節感の登場)
第5章 わび茶の周辺(茶筅の歴史;茶屋の歴史)
史料による茶の歴史―茶の初見から千利休切腹まで
著者等紹介
熊倉功夫[クマクライサオ]
1943年東京生まれ。東京教育大学文学部日本史学科卒業。日本文化史専攻。文学博士。京都大学人文科学研究所講師、筑波大学歴史人類学系教授を経て、92年国立民族学博物館教授。2004年退官、同年林原美術館館長(~2012)、2010年静岡文化芸術大学学長(~2016)、2016年MIHO MUSEUM館長。2010年農水省食料・農業・農村政策審議会会長。2017年茶の都ミュージアム館長。茶道史・寛永文化のほかに日本料理の文化史、民芸運動など幅広く研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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