出版社内容情報
しがないダンス用品会社のセールスレディのわたしの一日は、朝から夜まで白目をむくような珍事件の連続。
痴情のもつれた上司に振りまわされ、手の焼ける客の人間関係に巻き込まれる……
現代を生き抜く女性の汗と涙を、実感を込めて戯画化した、ありそうであり得ない長い一日の物語。芥川賞作家・青山七恵の爆走ユーモアが炸裂!
内容説明
ダンス用品会社で働くセールスレディのわたしは、ヘンな顧客、重たい家族、痴情の縺れた上司に次々絡まれ、ぶちギレ寸前。今すぐここから逃げ出したい!泥々に疲れた一日はしかし、幼き日の記憶と結ばれ、生の切なさと可笑しみ溢れる星座を描く―踊り出したら止まらない“笑劇”の連作短編集。
著者等紹介
青山七恵[アオヤマナナエ]
1983年埼玉県生まれ。筑波大学図書館情報専門学群卒業。2005年、大学在学中に書いた「窓の灯」で第四二回文藝賞を受賞しデビュー。07年「ひとり日和」で第一三六回芥川龍之介賞受賞。09年「かけら」で第三五回川端康成文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
45
面白かったです。散々なことが重なり、泥々に疲れた1日。それでも幼い日の思い出がダンスのような星座を描く。笑いをもたらしてくれるような連作短編集でした。2023/06/02
nemuro
42
5、6冊の既読本があると思われる青山七恵。それらのイメージからすれば、帯の「キレてますけど、元気です!疲れすぎたセールスレディのうっぷん爆発日誌」は、随分と意外。紹介文には、13編を収録の連作短編集とあったはず。ところが、前編とのつながりもなく唐突に始まることも多く、連作であることを忘れることも多々あった。小山田浩子氏の「解説」に「本書に並ぶ、彼女の朝から夜までを描いた十三篇全て」とあって、すべてが<わたし>の一日の出来事だったのかと、吃驚。集中して一気読みすれば面白さが倍加したんだろうなぁと反省しきり。2020/10/15
エドワード
32
ダンス用品のセールスをする女性が登場する13の掌編。ビル・クリントンの生まれたホープ市、火星と地球の大接近の話が無ければこの長い物語の主人公が同じ女性とはわからないほど、年齢も状況も様々な話が続く。彼女が出会う、風変わりな得意先や家族や会社の人たち、町で出会う珍妙な人々、宇宙人まで出て来る。それでも彼女はキリッと前を向いて生きて行く。幼い頃のチャボとの邂逅、ダンスの先生にかけられた印象的な言葉。人は大人になっても無意識に幼時の体験を背負っているのかも知れない。<私>の星座が空に不動の位置を占めるように。2021/04/23
くろにゃんこ
31
寝る前に、移動時に読む本としていたらとても時間がかかってしまった。連作短編だと気付いたのは後半(-_-;)不思議な感じで首を傾げること多々(笑)これが一人の話となるとすごい人生だ。2020/12/14
coco夏ko10角
19
ダンス用品会社でセールスレディとして働くわたしのある日の出来事…連作短編集。自分は著者の『風』に収録されてる『ダンス』を素晴らしいと感じたから今回の感じもあり。『ハトロール』と『テルオとルイーズ』が面白かった。2021/10/08