出版社内容情報
天女のように美しく完璧な妻は、なぜ自分と結婚したのか? 秘められた過去は気になるが、知ったとたんに夢が覚めてしまいそう――昭和五十年代、大看板と呼ばれた名人たちがしのぎを削ったあの賑やかな時代。業界中から集まる謎を、八代目林家正蔵(のちの彦六)が鮮やかに解き明かす。絶好調の落語ミステリー第四弾。〈解説〉広瀬和生
内容説明
天女のように美しく、質素で健気な若い妻。その完璧な笑顔の裏に隠された秘密とは!?テレビやラジオで落語が大人気だった、賑やかなりし昭和五十年代。女に金に、そして芸の道に悩める噺家たちが、今日も探偵・林家正蔵(のちの彦六)の住む長屋へとやってくる。笑いと人情にあふれた無類の落語ミステリー第四弾。
著者等紹介
愛川晶[アイカワアキラ]
1957年福島市生まれ。94年『化身』で第五回鮎川哲也賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
56
神楽坂倶楽部が主戦場(?)になっているので神楽坂シリーズの続きも読みたい気分で読み終えた。若く美しく献身的に優しい天女のような妻・清子がなぜ自分の嫁になってくれたのかとだんだん疑心暗鬼になっていく三光亭鏡治の過去や現在が入り混じって楽しく読める。夫婦は「芝浜」のようにもっと相手を信じる方がいいんですかね。が、猫虐待はいけません。2021/09/19
onasu
20
四作目まで読んでおいてなんだけど、愛川さんには「紅梅亭」や「神楽坂倶楽部」の続きを期待したいのは変わらないけど、こちらもおもしろくなってきた。 読み始めた頃は、両者に出てくる馬八兄さんやら、若旦那の寅市、平林刑事なんかが若くて、どうにもしっくりこなかったのが、馴れたせいなのか(描写も巧いのでしょう)、馴染んできた。 突拍子もない設定も、昭和も50年代なら、てなこともないですが、何か今よりしっくりくるような。アナログな時代への郷愁でしょうか。何れ初巻から読み直してみようかな。2020/12/08
hippos
16
合間合間の小噺が面白い。純粋に謎解きというよりも噺家たちのちょいとした普段が垣間見えるのがいい。 シリーズを読んでいつも思うのは、(古典)落語をもっと知っていればより面白いんだろうなぁ。2022/01/01
Norico
13
高座のホームズシリーズ。毎回、元落語家さんに語られる落語界の事件。今回の語り手はちょっと予想外。猫がかわいそうなことされるのは小説でもつらい。2020/08/22
きょん
12
高座のホームズ4冊目。明るく働き者で一回り年下の美人妻を持つ真打の周囲に起こる事件あれこれを正蔵師匠が粋に推理。平林刑事や馬八師匠などほかのシリーズの人たちも登場して楽しいし、誰も不幸になってないので読後感も良かった。2020/08/04